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外国人経営者が建設業許可を取るときの注意点

建設業許可

公開日:2026/5/2

更新日:2026/5/2

新宿区・高田馬場の行政書士が在留資格との関係を解説

新宿区・高田馬場周辺では、外国人の方が内装工事、リフォーム工事、解体工事などで独立を検討されるケースがあります。

その際に注意したいのが、「建設業許可を取れるか」という問題と、「現在の在留資格のまま会社経営をしてよいのか」という問題です。

日本人が代表者となる場合は、基本的に建設業許可の要件を確認すれば足ります。一方、外国人経営者の場合は、建設業法だけでなく、入管法上の在留資格もあわせて確認する必要があります。

この記事では、外国人経営者が新宿区で建設業許可を検討する際に、特に注意すべきポイントを整理します。

※本記事は2026年5月時点の情報をもとに作成しています。制度や運用は変更されることがあるため、実際に申請する際は最新情報をご確認ください。


1. 外国人経営者でも建設業許可は取得できる

まず、建設業許可そのものについては、経営者が外国籍であることだけを理由に取得できないわけではありません。

建設業法上、申請者や役員について「日本国籍でなければならない」という要件はありません。そのため、外国人の方が代表者であっても、建設業許可の要件を満たせば許可を取得することは可能です。

ただし、外国人経営者の場合は、次の2つを分けて考える必要があります。

  1. 現在の在留資格で会社経営ができるか

  2. 建設業許可の要件を満たせるか

この2つは、似ているようで別の問題です。

たとえば、建設業許可の要件を満たしていたとしても、現在の在留資格で会社経営が認められない場合は、在留資格の変更が必要になることがあります。逆に、経営管理ビザを持っていても、それだけで建設業許可が取れるわけではありません。


2. 建設業許可が必要になる工事金額

建設業を営む場合でも、すべての工事に建設業許可が必要になるわけではありません。

建設業許可が必要になるかどうかは、原則として、請け負う工事の金額によって判断します。

専門工事の場合、1件の請負代金が税込500万円以上となる工事を請け負うには、建設業許可が必要です。

建築一式工事の場合は、1件の請負代金が税込1,500万円以上となる工事、または延べ面積150㎡以上の木造住宅工事などについて、建設業許可が必要になる可能性があります。

内装工事、解体工事、電気工事、管工事などを行う事業者の場合、最初は小規模な工事だけを受注していても、元請会社や不動産会社から大きな案件を紹介される段階で、この金額基準に当たることがあります。

「まだ許可はいらない」と思っていたものの、実際には500万円以上の工事を請け負う予定が出てきた、という相談は少なくありません。


3. 建設業許可の主な要件

建設業許可を取得するためには、主に次の要件を確認します。

3-1. 経営業務の管理体制

建設業の経営について、一定の経験を持つ常勤役員等を置く必要があります。

従来は「経営業務の管理責任者」と呼ばれていた部分ですが、現在は、会社全体として建設業を適正に経営できる体制があるかを確認します。

外国人経営者が母国で建設会社を経営していた場合、その経験を使える可能性はあります。ただし、海外法人での役員経験や経営経験を証明するには、登記事項証明書に相当する書類、役員就任を示す書類、在任期間を示す資料などが必要になります。

外国語の書類を提出する場合は、日本語訳も必要です。単に翻訳するだけでなく、どの期間に、どの会社で、どのような立場にあったのかが分かる形に整理しておくことが大切です。

3-2. 営業所技術者等の配置

許可を受けようとする業種ごとに、一定の資格または実務経験を持つ技術者を営業所に置く必要があります。

一般的には「専任技術者」と呼ばれることが多い部分ですが、現在の様式では「営業所技術者等」とされています。

国家資格がある場合は比較的整理しやすいですが、実務経験で証明する場合は注意が必要です。特に、海外での工事経験を使う場合には、雇用契約書、在職証明書、工事契約書、工事写真、給与支払資料など、実際にその業務に従事していたことを裏付ける資料が求められることがあります。

実務経験だけで証明しようとする場合は、早い段階で資料の有無を確認しておく必要があります。

3-3. 財産的基礎

一般建設業の場合、自己資本が500万円以上あること、または500万円以上の資金調達能力があることが必要です。

会社設立直後の場合は、資本金や預金残高で確認することが多くなります。すでに決算を迎えている会社では、直近の決算書で自己資本の状況を確認します。

3-4. 誠実性・欠格要件

法人、役員、一定の使用人などについて、建設業法上の欠格要件に該当しないことも必要です。

また、請負契約に関して不正または不誠実な行為をするおそれが明らかでないことも確認されます。

3-5. 社会保険等への加入

建設業許可では、健康保険、厚生年金保険、雇用保険について、適用事業所として適切に加入しているかも確認されます。

会社を設立したばかりの場合でも、法人であれば社会保険の加入が必要になるケースが多いため、建設業許可の準備とあわせて確認しておきましょう。


4. 在留資格によって、経営できるかどうかが変わる

外国人経営者の場合、建設業許可の要件と同じくらい重要なのが在留資格です。

在留資格によっては、会社を経営する活動に制限がないものもあります。一方で、就労系の在留資格の場合、代表者として会社経営を行うには注意が必要です。

4-1. 活動制限がない在留資格

次のような身分系の在留資格は、原則として活動内容に制限がありません。

  • 永住者

  • 日本人の配偶者等

  • 永住者の配偶者等

  • 定住者

これらの在留資格を持っている方は、日本人と同じように会社を経営することができます。そのため、在留資格の面では大きな問題になりにくく、主に建設業許可の要件を満たせるかを確認することになります。

4-2. 経営管理ビザ

外国人が日本で会社を経営するための代表的な在留資格が「経営・管理」です。

建設会社を設立し、代表者として経営していく場合には、この在留資格が問題になることが多くあります。

ただし、経営管理ビザは2025年10月16日施行の改正により、以前よりも要件が厳しくなっています。

現在は、主に次のような点が確認されます。

  • 事業所が日本国内に確保されていること

  • 資本金等が3,000万円以上であること

  • 1人以上の常勤職員を雇用していること

  • 申請人または常勤職員のいずれかが相当程度の日本語能力を有していること

  • 申請人に経営・管理に関する経験、または関連分野の学歴等があること

  • 事業計画に具体性、合理性、実現可能性があること

以前は「500万円以上の出資」が経営管理ビザの重要な目安とされていましたが、現在はその整理のままでは不十分です。

そのため、建設業許可の財産的基礎である500万円と、経営管理ビザの資本金等3,000万円を混同しないよう注意が必要です。

4-3. 技術・人文知識・国際業務などの就労系在留資格

「技術・人文知識・国際業務」の在留資格で働いている方が、会社を設立して代表者になる相談もあります。

この場合、単に出資者になることと、実際に会社経営を行うことは分けて考える必要があります。

会社の株式や持分を持つことだけで直ちに問題になるとは限りません。しかし、代表者として事業の意思決定を行い、営業、契約、人事、資金管理などの経営活動を主たる活動にする場合は、在留資格「経営・管理」への変更が必要になる可能性があります。

「会社を作ってから、あとでビザを変えればよい」と考える方もいますが、実際に経営活動を始めてしまうと、その後の在留資格変更や更新で問題になることがあります。

会社設立前、少なくとも実際に経営活動を始める前に、在留資格の整理をしておくことをおすすめします。

4-4. 特定技能・技能実習・留学の場合

特定技能や技能実習は、基本的に受入機関で働くことを前提とした在留資格です。自ら会社を経営する活動は想定されていません。

留学の場合も、資格外活動許可の範囲でアルバイトをすることはあっても、会社を経営する活動とは別の問題です。

これらの在留資格の方が建設業で独立したい場合は、まず在留資格変更の可否を検討する必要があります。


5. 経営管理ビザと建設業許可は、同時に設計する必要がある

外国人経営者の建設業許可で難しいのは、経営管理ビザと建設業許可の要件が、それぞれ別の制度でありながら、実務上は強く関係している点です。

たとえば、経営管理ビザでは事業所の実体性や事業計画の具体性が重視されます。一方、建設業許可では営業所の実体、経営業務の管理体制、営業所技術者等、財産的基礎などが確認されます。

どちらか一方だけを見て会社設立や事務所契約を進めてしまうと、後から次のような問題が起こることがあります。

  • 経営管理ビザ上は事業所として説明できても、建設業許可の営業所としては不十分だった

  • 建設業許可を見据えた事業目的が定款に入っていなかった

  • 経営業務の管理体制を満たす人がいなかった

  • 技術者の実務経験を証明する資料が不足していた

  • 経営管理ビザの事業計画と、建設業許可の申請内容に整合性がなかった

外国人経営者の場合は、「会社設立」「在留資格」「建設業許可」を別々に考えるのではなく、最初から一つの流れとして設計することが重要です。


6. 新宿区で申請する場合の実務上のポイント

6-1. 申請先は新宿区役所ではない

新宿区内に営業所を置く場合でも、建設業許可の申請先は新宿区役所ではありません。

東京都内のみに営業所を置く場合は、東京都知事許可となり、申請先は東京都の建設業課です。

一方、東京都以外にも営業所を置く場合は、国土交通大臣許可が必要になります。

「新宿区で開業するから新宿区役所に申請する」と誤解されることがありますが、建設業許可は営業所の所在地に応じて、東京都または国に申請します。

6-2. シェアオフィス・バーチャルオフィスは慎重に確認する

新宿区、高田馬場、新大久保周辺では、小規模オフィスやシェアオフィスを使って起業する方も多くいます。

ただ、建設業許可では、営業所としての実体があるかが確認されます。

単なる住所利用だけのバーチャルオフィスでは、建設業許可の営業所として認められない可能性が高いです。シェアオフィスの場合も、契約内容、専用スペースの有無、来客対応、電話・事務機器、標識の掲示などを確認する必要があります。

また、経営管理ビザでも事業所の独立性や実体性が問題になります。事務所を契約する前に、建設業許可と在留資格の両方の観点から確認しておくと安心です。

6-3. 外国語資料は早めに準備する

外国人経営者の申請では、海外での経営経験や実務経験を証明するために、外国語の資料を使うことがあります。

この場合、単に書類を集めるだけでなく、日本の行政機関が内容を確認できるように、日本語訳を付ける必要があります。

特に、次のような資料は早めに確認しておきたいところです。

  • 海外法人の登記資料

  • 役員就任を示す資料

  • 在職証明書

  • 雇用契約書

  • 工事請負契約書

  • 給与支払資料

  • 納税資料

  • 工事写真、施工実績資料

国や地域によって書類の名称や記載内容が異なるため、日本の申請要件に合わせて、どの資料で何を証明するのかを整理する必要があります。


7. よくある注意点

注意点1:経営管理ビザの旧基準で計画してしまう

以前は「資本金500万円」が経営管理ビザの重要な目安として説明されることが多くありました。

しかし、2025年10月16日施行の改正後は、資本金等3,000万円以上、常勤職員の雇用、日本語能力、経歴・学歴、事業計画の専門家確認など、確認される項目が増えています。

古い情報をもとに会社設立や資本金の準備を進めてしまうと、在留資格の段階で計画を見直す必要が出ることがあります。

注意点2:建設業許可のための技術者が確保できていない

建設業許可では、許可を受けたい業種ごとに技術者の要件を確認します。

外国人経営者本人が現場経験を持っていても、その経験を日本の申請でどこまで証明できるかは別問題です。

資格で証明できる場合と、実務経験で証明する場合では、準備すべき資料が大きく変わります。特に海外経験を使う場合は、事前に慎重な確認が必要です。

注意点3:在留資格と会社登記だけを先に進めてしまう

会社設立は比較的短期間でできますが、建設業許可や経営管理ビザの要件を考えずに設立してしまうと、後から定款目的、事務所、資本金、役員構成などを見直すことになる場合があります。

外国人経営者が建設業を始める場合は、会社設立の前に、少なくとも次の点を確認しておくことをおすすめします。

  • 現在の在留資格で経営活動ができるか

  • 経営管理ビザが必要になるか

  • 資本金等3,000万円以上の要件を満たせるか

  • 常勤職員の雇用をどうするか

  • 建設業許可の経営経験・技術者要件を満たせるか

  • 予定している事務所が営業所として使えるか

  • 定款の事業目的に必要な建設業種が入っているか


8. 相談前に整理しておきたい情報

ご相談の際は、次の情報があると確認がスムーズです。

  • 現在の在留資格

  • 在留期限

  • これから行いたい工事の内容

  • 予定している営業所の所在地

  • 会社設立済みか、これから設立するか

  • 資本金の予定額

  • 常勤職員を雇用する予定の有無

  • 代表者本人の建設業経験

  • 技術者として使える資格や実務経験の有無

  • 海外での経営経験・工事経験の有無

  • 500万円以上の工事を請け負う予定があるか

最初の相談時点ですべての資料がそろっていなくても構いません。まずは、どこが問題になりそうかを整理することが大切です。


まとめ:外国人経営者の建設業許可は、順番を間違えないことが大切です

外国人経営者が新宿区で建設業許可を取得する場合、建設業法上の要件だけでなく、在留資格の問題もあわせて確認する必要があります。

特に、経営管理ビザが関係する場合は、2025年10月16日施行の改正により、以前よりも要件が厳しくなっています。

そのため、会社設立、事務所契約、資本金の準備、在留資格申請、建設業許可申請を別々に進めるのではなく、最初から全体の流れを見て設計することが重要です。

行政書士しのはら事務所では、新宿区・高田馬場周辺の事業者様を中心に、建設業許可申請や在留資格申請のご相談を承っています。

「現在の在留資格で建設業を始められるか知りたい」
「建設業許可を取りたいが、何から準備すればよいか分からない」
「経営管理ビザと建設業許可をあわせて相談したい」

このような場合は、お気軽にご相談ください。


コラムを書いた人

篠原 博之

行政書士・AFP
行政書士しのはら事務所 代表

個人税理士事務所・中小企業の総務部長・税理士法人のIT担当の経験を経て独立
バックオフィスのDXに注力している。
登録番号:第24080248号|東京都行政書士会 新宿支部所属

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