建設業許可の更新手続き、忘れたらどうなる?流れを解説
建設業許可
公開日:2025/11/16
更新日:2025/12/1
「建設業許可って5年ごとに更新が必要なのは知ってるけど、
もし更新を忘れたらどうなるの?」
元請から「許可の写し出して」と言われて、
そこで初めて期限切れに気づくケース、けっこうあります。
この記事では、「建設業許可 更新 忘れた」で検索してくる人が知りたい
更新手続きの基本
期限を過ぎたらどうなるか
期限切れに気づいたときに取るべき行動
二度と忘れないための対策
を、コンパクトに整理します。
1.建設業許可の更新ルールをおさらい
まずは基本から。
許可の有効期間は「5年間」
建設業許可の有効期間は5年です。
この5年ごとに更新をしないと、許可は自動的に失効します。
例)令和2年4月1日許可 → 令和7年3月31日が有効期限
となります(※実際の期限は許可通知書で要確認)。
更新申請の提出期限
更新申請は、
有効期限の30日前までに提出するのが原則
(自治体によって「60日前まで」を推奨しているところもあり)
ギリギリで出すと、補正や書類不備があったときに間に合わない可能性もあるので、
実務上は2~3か月前から準備を開始するのが安全です。
2.建設業許可の更新を忘れたらどうなる?
本題です。
更新を忘れて有効期限を過ぎてしまうと、何が起きるのか。
① 許可は自動的に「失効」する
更新申請をしないまま有効期限が過ぎると、
建設業許可は法的に効力を失います。
500万円以上(建築一式は1,500万円以上)の工事は受注できない
すでに元請と契約していても、「許可業者」としては扱われない
という状態になります。
② 「事後的な延長」や「遡っての更新」は基本的にできない
「うっかり忘れていただけだから、あとから更新できませんか?」
という相談も多いのですが、
許可の有効期間を後から延長する制度はない
「期限を遡って有効にする」こともできない
のが基本ルールです。
つまり、期限を過ぎた時点で一度“許可が切れた”扱いになります。
③ 取り直すときは「新規申請」と同じ扱いになる
期限を過ぎてしまった場合、
許可を取り直すには「新規許可」の手続きと同じ扱いになります。
手数料も新規と同額(知事許可で9万円など)
経営業務の管理責任者・専任技術者・500万円要件など、すべて再チェック
審査期間も、新規申請と同程度かかる
更新よりもお金も時間も余計にかかるので、かなりのダメージです。
④ 許可が切れた期間中は「無許可営業」になるおそれも
許可が切れたあとに、
500万円超の工事を契約・施工していた
名刺やホームページに「○○県知事許可(般-○○)」と表示したまま営業していた
といった場合、無許可営業として行政処分の対象になるリスクがあります。
悪質と判断されれば、
将来の許可申請にも影響する可能性があるので要注意です。
3.更新を忘れていたことに気づいたときの対処法
「うわ、期限過ぎてるじゃん……」と気づいたとき、
まず何をすべきか。
STEP1:許可の有効期限と、切れてからの期間を確認
許可通知書・許可証票で有効期限を確認
いつから切れているのか、日付ベースで把握する
切れてからの期間が長いほど、
取引先や役所への説明も慎重にする必要があります。
STEP2:現在進行中の工事の契約内容をチェック
許可が必要な金額の工事(500万円超など)があるか
契約日・工事期間・請負金額を整理
無許可期間中に契約した工事がある場合は、
早めに専門家(行政書士など)に相談した方が安全です。
STEP3:早急に「新規申請」の準備を始める
許可が必要な仕事を続ける前提なら、
とにかく新規申請の準備に着手します。
変更届・決算変更届がきちんと出ているか
経営管理責任者・専任技術者の要件を満たしているか
500万円要件(自己資本 or 預金残高証明)がクリアできるか
などをチェックしながら、必要書類を整えていきます。
STEP4:取引先・元請への説明
許可の有効期限
更新漏れに気づいたタイミング
今後の新規申請のスケジュール
を整理したうえで、
元請や主要取引先には早めに正直に説明しておくのが無難です。
隠したまま後からバレる方が、
信用面のダメージは大きくなります。
4.建設業許可の更新手続きの流れ
「そもそも更新って何をするの?」という方向けに、
基本的な流れもサクッとおさらいしておきます。
① 更新対象の許可・業種を確認
知事許可か、大臣許可か
一般・特定の別
業種(建築一式、土木一式、内装仕上など)
を整理し、どの許可を更新するのかを明確にします。
② 必要書類の準備
代表的なものは次のとおり:
更新申請書
直前3期分の決算変更届が提出済みであることの確認
経営業務の管理責任者・専任技術者関連の証明書類
納税証明書
営業所の使用権限を示す書類(賃貸借契約書など)
※自治体ごとに様式・必要書類が異なるので、
都道府県の手引きを必ずチェック。
③ 期限前に申請書を提出
原則:有効期限の30日前まで
不備があると受理されず、補正で時間を取られるので注意
問題なく受理されれば、
審査後に「許可通知書」「許可証票」が交付されます。
④ 新しい許可番号・許可年月日を確認し、表示を更新
ホームページや名刺、契約書の「許可番号・許可年月日」を更新
現場事務所の許可票も差し替え
を忘れずに行います。
5.二度と更新を忘れないための4つの対策
更新忘れは、仕組みで防ぐしかありません。
対策1:許可証票・許可通知書の近くに「期限」を大きく表示
事務所の壁の許可票の横に
「有効期限:令和○年○月○日まで」と大きくメモカレンダーやホワイトボードにも、
半年前くらいから赤字で書き込んでおく
視界に入る場所に期限を出しておくのが一番シンプルです。
対策2:スケジュール管理ツールにアラートを設定
Googleカレンダー
Outlook
スマホのリマインダー
などに、
「更新準備開始(期限の6か月前)」
「申請書提出目安(期限の2か月前)」
といった予定を入れて、繰り返し通知を設定しておきましょう。
対策3:顧問の行政書士に「期限管理」を依頼
顧問の専門家がいる場合、
決算変更届の提出
更新時期の案内
までセットで見てもらえる契約にしておくと安心です。
「先生、来年○月が更新ですよ」と
外部からも声をかけてもらえる仕組みを作るイメージです。
対策4:社内で担当者を決めておく
会社であれば、
建設業許可の管理担当
決算変更届・更新の担当者
を明確に決めておくことも重要です。
「誰の仕事か分からないものは、誰もやらない」が現実なので。
6.まとめ:建設業許可の更新忘れは「新規取り直し」という痛いペナルティ
最後にポイントを整理すると──
建設業許可の有効期間は5年
更新を忘れて期限を過ぎると、許可は自動的に失効
後からの延長・遡り更新は基本できず、新規申請として取り直しになる
無許可期間中に許可が必要な工事をしていると、行政処分のリスクも
更新忘れを防ぐには、期限の見える化+スケジュール管理+専門家との連携がカギ
建設業許可は、
先生の会社の「信用」と「売上の上限」を支える大事なライセンスです。
「まだ先だから大丈夫」と油断せず、
有効期限を一度しっかり確認して、今のうちから更新の準備スケジュールをイメージしておきましょう。
コラムを書いた人
篠原 博之
行政書士・AFP
行政書士しのはら事務所 代表
個人税理士事務所・中小企業の総務部長・税理士法人のIT担当の経験を経て独立
バックオフィスのDXに注力している。
登録番号:第24080248号|東京都行政書士会 新宿支部所属
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