新宿区高田馬場の行政書士事務所

コンカフェ開業に風営法の許可は必要?「接待」に当たる線引きを行政書士が解説

風営法許可

公開日:2026/9/19

更新日:2026/9/19

この記事のポイント

  • コンカフェは、接客の内容によって必要な手続きが3パターンに分かれます

  • 分かれ目は「接待」に該当するかどうかの一点です

  • コスプレやチェキ撮影そのものは、直ちに接待にはあたりません

  • 2025年6月28日施行の改正風営適正化法で、無許可営業の罰則が大幅に強化されました



結論:3つのどれに当たるかで、手続きがまったく変わります

コンセプトカフェ(コンカフェ)を開業する際に必要な手続きは、店舗の名前や内装ではなく、キャストがお客様に対して何をするかで決まります。

営業形態

必要な手続き

提出先

① 接待なし・深夜0時までの営業

飲食店営業許可のみ

保健所

② 接待なし・深夜0時以降も酒類を提供

飲食店営業許可+深夜酒類提供飲食店営業開始届出

保健所+警察署

③ 接待あり

飲食店営業許可+風俗営業1号許可

保健所+公安委員会(警察署経由)

注意すべきは、③の風俗営業許可を取得した場合、原則として深夜0時以降の営業ができないという点です。都道府県の条例によって営業時間が制限されるためです。「接待もしたいし、朝まで営業したい」は、制度上両立しません。

ここを理解しないまま物件を契約し、内装工事を進めてしまうケースが少なくありません。


「接待」とは何か

風営法第2条第3項は、接待を「歓楽的雰囲気を醸し出す方法により客をもてなすこと」と定義しています。

抽象的な表現ですが、警察庁の解釈運用基準を整理すると、判断の軸は次の3つです。

  1. スタッフとの会話やサービスを期待して来店する客に対して

  2. 相手を特定して

  3. 積極的に談笑やお酌などのサービスを行うこと

つまり、「特定少数の客に」「継続して」「もてなす」という3要素が揃うと接待に該当する、という構造です。

逆に言えば、お酌をしたり水割りを作ったりしても、速やかにその場を立ち去る場合には接待に該当しないとされています。行為そのものではなく、その継続性と対象の特定性が問われているわけです。


行為ごとの該当性:判断が割れやすいライン

実務上、ご相談の多い行為を整理します。

接待に該当する可能性が高いもの

  • 特定の客の隣や向かいに座り、継続的に談笑する

  • 手を握る、身体を密着させるなどの接触

  • 特定の客に対し、飲食物を口元まで運んで食べさせる

  • 特定の客とゲームやトランプ、ダーツなどを継続的に行う

  • 特定の客に付き添ってカラオケでデュエットする、拍手を送る

直ちに接待とは言えないもの

  • コスプレでの接客そのもの

  • チェキ(インスタント写真)の撮影そのもの

  • カウンター越しの短時間の会話

  • 注文を受け、飲食物を提供してその場を離れる行為

コスプレもチェキも、それ自体は接待ではありません。 ここは誤解の多い部分です。問題になるのは、そこに「特定の客への継続的な密着」という要素が加わったときです。

たとえばチェキ撮影でも、撮影のために一瞬並んで写真を撮るだけなら接待とは評価されにくい一方、撮影を口実に特定の客の隣に長く滞在していれば、実態として接待と判断される余地が出てきます。

判断が難しいグレーゾーン

  • 「指名」制度を設けている

  • ドリンクをキャストにおごる仕組み(いわゆるキャストドリンク)がある

  • メニュー表にキャストとの交流サービスが明示されている

  • 席に呼んで一定時間会話する有料オプションがある

こうした仕組みは、それ自体が違法なのではなく、「特定の客を長時間もてなす構造になっていないか」を警察が見る材料になります。


2025年6月の法改正で、リスクの重さが変わりました

2025年6月28日、改正風営適正化法が施行され、無許可営業等に対する罰則が強化されました。警察庁も、コンカフェ等と称して許可を受けずに違法に接待を行う店舗への取締りを推進する方針を公式に示しています。

無許可で風俗営業(1号営業)を行った場合、個人は5年以下の拘禁刑もしくは1,000万円以下の罰金、またはその併科、法人には3億円以下の罰金という水準です。

「みんなやっているから」「今まで何も言われていないから」という判断は、以前にも増して危険になったとお考えください。


もうひとつの落とし穴:18歳未満のキャスト

コンカフェ特有の論点として、若いキャストの雇用があります。

  • 風営法第22条第1項第3号:18歳未満の者に客の接待をさせることは禁止されています。違反した場合、1年以下の拘禁刑もしくは100万円以下の罰金

  • 風俗営業の店舗には、18歳未満の者を立ち入らせることもできません(従業員・客を問わず)

  • 労働基準法第61条:18歳未満の者を午後10時から午前5時まで働かせることはできません。これは接待の有無にかかわらず適用されます

  • 各都道府県の青少年健全育成条例にも、深夜の連れ出しや就労に関する規定があります

接待を伴わないカフェ業態であれば18歳未満の雇用自体は可能な場合がありますが、深夜の就労は別の法律で規制されている点にご注意ください。ここを取り違えると、風営法ではなく労働基準法違反として問題になります。


よくある誤解

「カフェという名前なら風営法は関係ない」

店舗の名称は判断材料になりません。バー、カフェ、ラウンジ、どの名前で営業していても、実態として接待を行っていれば1号営業に該当します。

「許可を申請中なら営業してよい」

接待を伴う営業は、許可が下りるまで行うことができません。申請中に接待営業をしていれば無許可営業です。許可取得までの期間は、接待を行わない形態で営業を維持する必要があります。

「深夜酒類提供の届出を出せば接待もできる」

できません。深夜酒類提供飲食店営業では、接待行為は禁止されています。この2つは別の制度です。

「警察から指導を受けたが、すぐに閉めろとは言われなかったから大丈夫」

指導を受けた時点で、営業実態は警察に把握されています。速やかに営業形態を見直すか、許可申請に着手すべき段階です。


費用と期間の目安

項目

費用

飲食店営業許可

55,000円(税込)

深夜酒類提供飲食店営業開始届出

88,000円(税込)

風俗営業1号許可

154,000円(税込)

※風俗営業許可は、物件が営業制限地域に該当しないかの調査、店舗の実測と図面作成が必要になるため、物件契約の前にご相談いただくのが最も安全です。契約後に「この場所では許可が取れない」と判明するケースがあります。

【要加筆】新宿・高田馬場エリアの用途地域や保護対象施設に関する実務的な注意点


よくあるご質問

Q. 開業前ですが、どの形態にすべきか決めきれていません。相談できますか?

はい。むしろその段階でのご相談が最も有効です。営業形態が決まらないと、必要な図面も物件の条件も変わります。物件を契約する前にご相談ください。

Q. すでに営業していますが、接待に当たるか不安です。

現在の接客内容を具体的にお伺いし、該当性を整理します。仮に該当する可能性が高い場合、許可取得までの間にどう営業形態を調整すべきかもあわせてご案内します。

Q. 風俗営業許可を取ると、深夜営業はできなくなりますか?

原則としてできません。営業時間の制限は都道府県の条例で定められています。接待と深夜営業のどちらを優先するか、事業計画の段階で判断が必要です。

Q. 内装工事はいつ始めればよいですか?

風俗営業許可を取る場合、図面と実際の店舗が一致していることが検査されるため、工事前の段階でご相談いただくのが理想です。工事後に構造上の問題が見つかると、やり直しになります。


開業前のご相談をおすすめします

コンカフェは、接客内容のわずかな違いで必要な手続きが変わる業態です。そして一度物件を契約し、内装工事を進めてしまうと、後戻りに大きな費用がかかります。

行政書士しのはら事務所では、「どの営業形態を選ぶべきか」という段階からのご相談に対応しています。新宿区・高田馬場を拠点に、東京都内全域の風俗営業許可・深夜酒類提供飲食店営業開始届出を承っております。

この記事を書いた人

篠原 博之

行政書士・AFP
行政書士しのはら事務所 代表

個人税理士事務所・中小企業の総務部長・税理士法人のIT担当の経験を経て独立
バックオフィスのDXに注力している。
登録番号:第24080248号|東京都行政書士会 新宿支部所属

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