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ガールズバー開業前に必読!「風営法許可」と「深夜酒類提供届出」の違いと、摘発リスクを防ぐ「接待」の定義を行政書士が解説

風営法許可

公開日:2025/11/24

更新日:2026/2/18

「ガールズバーを開業したいが、風営法の許可が必要なのか、深夜営業の届出だけでいいのかわからない」

「朝まで営業したい。女の子がカウンター越しに接客すれば問題ないよね?」

このようなご相談を、開業準備中の方から非常に多くいただきます。

結論から申し上げます。この判断を誤ると、無許可営業として警察に摘発され、逮捕・罰金・営業停止といった深刻な処分を受けるリスクがあります。実際に、「ガールズバーのつもり」で営業を始めたにもかかわらず、警察の立入調査で「無許可風俗営業」と認定されて摘発された事例は全国で発生しています。

本記事では、開業前に必ず理解しておくべき「風俗営業許可(1号営業)」と「深夜酒類提供飲食店営業の届出」の根本的な違い、そして警察が判断の基準とする「接待」の定義について、行政書士の立場から詳しく解説します。

最大の違いは「接待の有無」と「深夜営業の可否」

飲食店として営業する場合、法的には大きく2つのパターンに分類されます。どちらに当てはまるかによって、必要な手続きも、できることとできないことも、まったく異なります。

まず、2つの制度の概要を下表で確認してください。

比較項目

風俗営業許可(1号営業)

深夜酒類提供飲食店営業(届出)

代表的な業態

キャバクラ、ホストクラブ、スナック

バー、居酒屋、一般的なガールズバー

手続きの種類

【許可】警察署への申請・審査あり

【届出】警察署への届出(事前)

接待の可否

〇 可能

✖ 一切禁止

深夜0時以降の営業

✖ 原則禁止(地域により1時まで可)

〇 朝まで営業可能

手続き費用の目安

申請手数料:24,000円+行政書士費用

手数料:無料+行政書士費用

審査期間の目安

申請後 約55日(標準処理期間)

届出受理から10日後

重要なのは「接待ができる代わりに深夜営業ができない(風俗営業許可)」か、「深夜営業ができる代わりに接待が一切できない(深夜酒類届出)」か、という二者択一の関係にあるという点です。「接待もして、朝まで営業する」という形態は、法律上、原則として認められていません。

警察が「接待」と判断する行為とは何か

「ガールズバーなら隣に座らなければ大丈夫」と思っている方が非常に多いですが、これは誤解です。風営法における「接待」の定義は、「隣に座ること」に限りません。

風営法第2条では「接待」を「歓楽的雰囲気を醸し出す方法により客をもてなすこと」と定義しています。この定義は非常に広く解釈されており、警察の実務ではさまざまな行為が「接待」に該当するとみなされます。

具体的に何がOKで何がNGなのか、下表をご確認ください。

行為の内容

風俗営業(1号)

深夜酒類届出

備考

お客様の隣(横)に座って会話する

✕ 違法

最も典型的な「接待」行為

カウンター越しに特定客へ付きっきりで会話

✕ 違法

カウンター越しでも長時間は「接待」

カラオケのデュエット

✕ 違法

「一緒に遊興」に該当

ダーツ・トランプ・ゲーム等を客と一緒にする

✕ 違法

「一緒に遊興」に該当

握手・ハイタッチ・身体接触

✕ 違法

スキンシップは全面NG

客の歌に合わせて手拍子・ダンスをする

✕ 違法

「一緒に遊興」に該当

ドリンクをカウンター越しに提供する

通常の接客業務

注文を取る・料理を運ぶ

通常の接客業務

世間話程度の短い会話(複数客へ)

特定客への継続でなければOK

「接待」に該当する行為の詳細解説

① 特定の少数の客の近くにはべること

「はべる」とは、特定のお客様のそばに付いて、その相手を継続的にすることを指します。カウンター越しであっても、1人のスタッフが1人のお客様に長時間張り付いて会話をしていれば、「接待」と判断される可能性が高くなります。

ポイントは「特定の少数の客」「継続的に」という点です。短い会話や、複数のお客様をまんべんなく相手にする形であれば問題ありませんが、特定の客にのみ長時間対応することが常態化すると「接待」とみなされます。

よくある誤解として、「カウンターがあるから接触はない。だから接待ではない」というものがありますが、物理的な接触がなくても「はべり」は成立します。警察の実査では、スタッフが特定の客の前から離れない状況を現認された場合、接待として認定されるケースがあります。

② 一緒に遊興すること

「遊興」とは、お客様と一緒に遊び楽しむことです。代表的な行為としては以下が挙げられます。

・  カラオケでお客様とデュエットをする

・  ダーツ・トランプ・ビリヤード・テレビゲームなどをお客様と一緒にプレイする

・  お客様の歌に合わせてスタッフが踊る、手拍子をする

・  お客様と一緒にゲームをして、勝敗を楽しむ

カラオケ設備があるだけでは問題ありませんが、スタッフがお客様と一緒に歌った時点で「一緒に遊興」が成立します。「盛り上がりのため」「サービスのため」という意図があっても、行為の外形で判断されることに注意が必要です。

③ 身体的接触(スキンシップ)

握手・ハイタッチ・肩を叩く・腕を組む・抱擁といった身体への接触は、いずれも「接待」に該当します。深夜酒類提供の届出で営業するガールズバーでは、一切の身体接触を禁止するルールを徹底してください。

特に注意が必要なのは、スタッフが自発的に行う場合だけでなく、お客様の求めに応じて行った場合でも同様に「接待」とみなされる点です。「お客様が求めたから断れなかった」という言い訳は、法的には通りません。

④ 性的なサービス・過度な露出

性的なサービスや過度な露出を伴う接客は、それ自体が風俗営業の範疇(2号・3号営業など)に踏み込む可能性があります。コスプレや制服については、それ自体が直ちに違法となるわけではありませんが、接客内容との組み合わせによっては業態の認定に影響することがあります。

警察の実査で必ずチェックされる「カウンターの構造」

深夜酒類提供飲食店として届出をするガールズバーでは、カウンターの物理的な構造が非常に重要な要素になります。警察の実査(立入調査)では、以下のポイントが厳しく確認されます。

カウンターの高さ・幅・構造

一般的に、カウンターの高さが概ね1メートル以上あり、スタッフと客が容易に行き来できない構造になっていれば、「接待がしにくい環境(バー形式)」として判断されやすくなります。

逆に、カウンターが低かったり、回転椅子でスタッフ側に入り込めるような構造になっていたりすると、「実質的に接待を行う店ではないか」と疑われる要因になります。物件を決める前や内装工事を行う前に、行政書士や警察署の担当者に確認することをお勧めします。

客席の配置

テーブル席(ソファ席)が多い店舗の場合、スタッフがそこに座って接客することが想定されると判断されるため、深夜酒類届出での営業には不向きです。基本的にはカウンター主体の店舗設計が求められます。

ガールズバーで「深夜営業」を行うために徹底すべきこと

深夜酒類提供飲食店営業の届出でガールズバーを運営するためには、日々の営業においてスタッフ全員が以下のルールを完全に遵守する必要があります。

カウンター越しの接客を絶対に守る

お客様の隣(横)に座ることは、いかなる理由があっても禁止です。カウンターをまたいでお客様側に入ることも同様に禁止です。スタッフは常にカウンターの内側にいなければなりません。

1対1の接客を避ける

特定のスタッフが特定のお客様に付きっきりにならないよう、複数のスタッフで全てのお客様をまんべんなく対応する運営スタイルを取ることが重要です。「指名制度」「担当制度」の導入は、接待のリスクを高めるため慎重に検討してください。

遊興行為を店のルールとして禁止する

カラオケ設備がある場合、スタッフはデュエットや手拍子などの遊興行為を一切行わないよう、マニュアルに明記してください。スタッフの個人的な好意から行われるケースが多いため、採用時・研修時に繰り返し指導することが必要です。

同伴・アフターへの対応

いわゆる「同伴」(出勤前に客と食事等をして来店する行為)や「アフター」(退勤後に客と飲食に行く行為)については、店外であっても営業の一環として特定客を接待しているとみなされるリスクがあります。グレーゾーンとして認識し、店舗のポリシーを明確にしておくことをお勧めします。

スタッフへの教育・マニュアル整備

経営者やオーナーが「接待禁止」を意識していても、現場のスタッフが知らずに接待行為を行ってしまうことが摘発の原因になるケースが少なくありません。採用時の研修、定期的な勉強会の実施、そして「接待とは何か」を具体的に記したマニュアルの整備が、リスク管理として極めて有効です。

手続きの流れ:深夜酒類提供飲食店営業の届出

深夜酒類提供飲食店営業の届出は、許可(審査)ではなく「届出」であるため、要件を満たしていれば比較的スムーズに手続きを進めることができます。ただし、営業開始の前に届出が必要であり、届出なしで営業を始めることは違法です。

届出に際して必要となる主な書類・確認事項は以下のとおりです。

・  届出書(所定の様式)

・  営業所の平面図(寸法入り)

・  営業所の求積図(面積の計算)

・  賃貸借契約書の写し(物件を借りている場合)

・  用途地域の確認(市区町村の都市計画課または法務局で確認)

特に重要なのが「用途地域の確認」です。深夜酒類提供飲食店は、住居系の用途地域(第一種低層住居専用地域、第二種低層住居専用地域、第一種中高層住居専用地域、第二種中高層住居専用地域)では営業ができません。物件を契約する前に、その場所で届出が可能かを必ず確認してください。

届出先は、営業所を管轄する警察署の生活安全課です。届出書類に不備がなければ、受理後すぐに(または数日以内に)営業を開始することができます。

よくあるご質問(FAQ)

Q. カウンター越しに会話するだけなら「接待」にはならないですか?

A. 短い会話や複数の客を相手にするものであれば問題ありません。しかし、特定のスタッフが特定のお客様に対して長時間カウンター越しに対話を続ける状況が常態化している場合、「特定の少数の客の近くにはべること」として「接待」とみなされる可能性があります。「カウンター越しだから大丈夫」という認識は危険です。

Q. コスプレや制服を着ているだけで風営法の規制を受けますか?

A. 服装そのものは直ちに風俗営業の規制対象とはなりません。ただし、服装と接客内容の組み合わせによっては、業態の認定に影響を与えることがあります。また、性的な演出を強調した内容については別の規制が適用されるケースもあるため、開業前に専門家への確認をお勧めします。

Q. 深夜0時をまたいでの営業は絶対にできないのですか(風俗営業許可の場合)?

A. 風俗営業(1号営業)は、原則として午前0時までしか営業できません。ただし、都道府県の条例によっては、特定の地域に限り午前1時まで延長が認められている場合があります。また、例外として国家戦略特区の認定を受けたエリアでは規制の異なる制度が適用されるケースもあります。詳細は、営業所を管轄する警察署にご確認ください。

Q. 既存の物件(居抜き)を使いたいのですが、注意点はありますか?

A. 居抜き物件の場合、前の事業者が風俗営業許可を取得していた物件に、深夜酒類届出で入る(またはその逆)というケースがあります。物件の構造(カウンターの高さ・客席の配置等)が深夜酒類届出に適した設計になっているかを確認することが重要です。また、前の事業者の許可・届出の取り下げが完了しているかも確認が必要です。

Q. 物件を契約してから相談しても間に合いますか?

A. 物件の契約後でも相談は可能ですが、契約後に「その場所では届出ができない(用途地域の問題)」「物件の構造上、風俗営業許可が必要と判断される可能性がある」といった問題が発覚した場合、取り返しのつかない損失が発生します。物件の内見段階・契約前のご相談が最もリスクを抑えられます。

まとめ:開業前に専門家への相談を

本記事の内容を最後に整理します。

・  風俗営業許可(1号営業):接待OK・深夜営業NG(キャバクラ・ホストクラブ・スナック等)

・  深夜酒類提供飲食店営業(届出):接待NG・深夜営業OK(バー・居酒屋・ガールズバー等)

・  「接待」の定義は広く、隣に座るだけでなく、付きっきりの会話・デュエット・ダーツ・身体接触もNG

・  カウンターの構造・客席の配置も警察の実査でチェックされる

・  用途地域によっては、深夜酒類提供の届出自体ができない場所もある

・  摘発リスクを防ぐためには、スタッフへの教育・マニュアル整備が不可欠

「自分のお店のコンセプトはどちらの制度が必要か」「この物件で風営法の許可・届出は可能か」「書類作成・警察署への手続きを任せたい」という場合は、ぜひ物件を契約する前に行政書士へご相談ください。

行政書士しのはら事務所では、風俗営業許可・深夜酒類提供飲食店営業の届出に関するご相談を承っております。エリアの用途地域調査から、平面図・求積図の作成、警察署への手続きまで一括してサポートいたします。まずはお気軽にお問い合わせください(初回相談無料)。

コラムを書いた人

篠原 博之

行政書士・AFP
行政書士しのはら事務所 代表

個人税理士事務所・中小企業の総務部長・税理士法人のIT担当の経験を経て独立
バックオフィスのDXに注力している。
登録番号:第24080248号|東京都行政書士会 新宿支部所属

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