【罰則・逮捕】風営法の「名義貸し」は絶対NG!無許可営業のリスクと警察が見る「真の経営者」とは
風営法許可
公開日:2025/11/24
更新日:2025/12/1
「自分は過去に前科があるから、店長の名義で許可を取ろう」 「知人の名前を借りて申請すれば、バレないだろう」
風俗営業の許可申請において、このような「名義貸し(めいぎがし)」は絶対にやってはいけません。これは単なる書類上の不備ではなく、犯罪(風営法違反)です。
警察は「誰が書類にハンコを押したか」ではなく、「誰が実質的にその店を支配・経営しているか」を徹底的に捜査します。もし名義借りが発覚すれば、名義を貸した人も借りた人も逮捕され、長期間にわたり業界から追放されることになります。
本記事では、軽い気持ちで行われがちな「名義貸し」の危険性と、無許可営業に対する重い罰則、そして警察が「真の経営者」を見抜くポイントについて解説します。
絶対にやってはいけない「名義貸し」とは
風営法では、許可を受けるべき者が自ら申請を行わなければなりません。 「名義貸し」とは、許可要件を満たさない人(欠格事由がある人など)や、表に出たくないオーナーが、従業員や知人などを「形式上の申請者」として許可を取得させる行為を指します。
なぜ違法なのか?
風営法は「営業者」に対して監督や処分を行う法律です。もし名義人が単なる操り人形で、裏に別の経営者がいれば、警察の指導監督が機能しなくなるため、法律で厳しく禁止されています(風営法第11条)。
双方に罰則がある
名義を「借りた真の経営者」はもちろん、名義を「貸した人(店長など)」も共犯として処罰されます。 「頼まれたから名前を貸しただけ」という言い訳は通用しません。 罰則は「2年以下の懲役もしくは200万円以下の罰金、またはその併科」と非常に重いものです。
警察はここを見ている!「真の経営者」がバレる理由
「口裏を合わせればバレない」と思っていませんか? 所轄の生活安全課は、風俗営業のプロフェッショナルです。通常の立ち入り検査や、周辺からのタレコミ、あるいは従業員とのトラブルなどをきっかけに、簡単に実態を見抜きます。
1. お金の流れ(通帳・賃貸契約)
売上金は誰の口座に入っているか?
従業員の給与は誰が支払っているか?
物件の賃貸契約は誰の名義か?
開業資金の出所はどこか?(名義人に不自然な資金力がないか)
これらを辿れば、名義人が単なる「雇われ」であることは一目瞭然です。
2. 指揮命令系統
現場で実際に指示を出しているのは誰か?
採用の決定権を持っているのは誰か?
警察が立ち入り検査に来た際、名義人が店の状況を全く把握していない。
3. 欠格事由(前科など)の隠蔽
そもそも名義貸しをする動機の多くは、真の経営者に「懲役刑の経験がある」「過去5年以内に許可を取り消された」といった欠格事由(けっかくじゆう)があることです。 警察は「なぜ本人が申請しないのか?」を常に疑ってかかります。もし欠格事由がある者が裏で経営しているとわかれば、悪質性が高いとして即座に摘発対象となります。
無許可営業のペナルティは「営業停止」では済まない
名義貸し以外にも、「許可が必要なのに届出だけで営業していた(偽装バー)」などの「無許可営業」に対する罰則も強化されています。
懲役刑を含む刑事罰
無許可営業を行った場合、「2年以下の懲役もしくは200万円以下の罰金」が科されます。 行政処分(営業停止)だけでなく、刑事罰として「前科」がつくことになります。
5年間は許可が取れなくなる
一度でも風営法違反で許可を取り消されたり、刑罰を受けたりすると、その後5年間は風俗営業の許可を取ることができなくなります。また、法人であれば役員全員が対象となるため、他のビジネスにも多大な悪影響を及ぼします。
クリーンな経営こそが最強の防衛策
「バレないように隠す」ことにエネルギーを使うよりも、最初から法令を遵守した体制を作る方が、結果的に長く安定して稼ぎ続けることができます。
欠格事由がある場合: 無理に名義貸しをするのではなく、欠格期間が明けるのを待つか、許可が不要な別のビジネスモデルを検討する。
法人がいいか、個人がいいか: 将来的な展開を見据えて、適切な形態で申請する。
当事務所では、単なる書類作成だけでなく、「今の経営体制に法的なリスクはないか?」というコンプライアンス診断も行っています。「これって名義貸しになる?」と不安な方は、申請前に必ずご相談ください。秘密厳守で適切なアドバイスをいたします。
記事のまとめ
名義貸しは犯罪: 借りた側も貸した側も逮捕・罰金のリスクがある。
警察の目は欺けない: 資金の流れや指揮命令系統から実質経営者は特定される。
重いペナルティ: 懲役、罰金に加え、5年間業界から追放される。
解決策: 小手先の隠蔽工作はやめ、専門家に相談して適法なスキームを構築する。
コラムを書いた人
篠原 博之
行政書士・AFP
行政書士しのはら事務所 代表
個人税理士事務所・中小企業の総務部長・税理士法人のIT担当の経験を経て独立
バックオフィスのDXに注力している。
登録番号:第2408248号|東京都行政書士会 新宿支部所属
今すぐ問い合わせる
お電話はこちら
関連コラム
2026/4/28
スナックって風営法の許可っているの?「深夜営業」と「接待」の境界線を行政書士が徹底解説
「念願だった自分のスナックを開業したい!」「でも、スナックって風営法の許可が必要なの?それとも深夜営業の届出だけでいいの?」開業準備を進める中で、この「手続きの壁」にぶつかる方は非常に多いです。インターネットで調べても、「許可が必要」と書いてあるサイトもあれば、「届出だけで朝まで営業できる」と書いて...
2026/4/28
ガールズバーで外国人を雇うのは違法?「留学生のアルバイト」に潜む不法就労の罠と在留資格のルールを行政書士が解説
「求人を出しても日本人の女の子が集まらない。留学生を雇っても大丈夫?」 「日本語がペラペラな外国人の子から面接の応募があったけれど、ガールズバーで働かせて違法にならない?」新宿や高田馬場など、留学生や外国人が多いエリアでガールズバーを経営されているオーナー様から、このようなご相談を非常に多くいただき...
2026/4/28
ガールズバー開業の最大の罠!「用途地域」を間違えると深夜営業ができない理由と調べ方を行政書士が解説
「駅近で家賃も手頃、内装も綺麗な最高の居抜き物件を見つけた!」「不動産屋からも『飲食店OKですよ』と言われたので、すぐに契約して内装工事を始めたい!」ちょっと待ってください。その物件、本当に「朝まで営業できる場所」ですか?ガールズバー(深夜酒類提供飲食店)を開業する際、最も多く、そして最も致命的な失...
2026/4/28
【新宿・高田馬場】ガールズバー開業を成功させる物件選びの極意と激戦区を勝ち抜く戦略を行政書士が解説
「新宿(歌舞伎町など)や高田馬場でガールズバーを開業したいが、物件選びで失敗したくない」 「激戦区エリアで確実に利益を出すためのポイントを知りたい」 日本有数の繁華街である新宿エリアや、巨大な学生街である高田馬場エリアは、ガールズバーの需要が非常に高い反面、競合も多く、法律上の規制(風営法・用途地域...
