「自分は過去に前科があるから、店長の名義で許可を取ろう」 「知人の名前を借りて申請すれば、バレないだろう」風俗営業の許可申請において、このような「名義貸し(めいぎがし)」は絶対にやってはいけません。これは単なる書類上の不備ではなく、犯罪(風営法違反)です。警察は「誰が書類にハンコを押したか」ではなく、「誰が実質的にその店を支配・経営しているか」を徹底的に捜査します。もし名義借りが発覚すれば、名義を貸した人も借りた人も逮捕され、長期間にわたり業界から追放されることになります。本記事では、軽い気持ちで行われがちな「名義貸し」の危険性と、無許可営業に対する重い罰則、そして警察が「真の経営者」を見抜くポイントについて解説します。絶対にやってはいけない「名義貸し」とは風営法では、許可を受けるべき者が自ら申請を行わなければなりません。 「名義貸し」とは、許可要件を満たさない人(欠格事由がある人など)や、表に出たくないオーナーが、従業員や知人などを「形式上の申請者」として許可を取得させる行為を指します。なぜ違法なのか?風営法は「営業者」に対して監督や処分を行う法律です。もし名義人が単なる操り人形で、裏に別の経営者がいれば、警察の指導監督が機能しなくなるため、法律で厳しく禁止されています(風営法第11条)。双方に罰則がある名義を「借りた真の経営者」はもちろん、名義を「貸した人(店長など)」も共犯として処罰されます。 「頼まれたから名前を貸しただけ」という言い訳は通用しません。 罰則は「2年以下の懲役もしくは200万円以下の罰金、またはその併科」と非常に重いものです。警察はここを見ている!「真の経営者」がバレる理由「口裏を合わせればバレない」と思っていませんか? 所轄の生活安全課は、風俗営業のプロフェッショナルです。通常の立ち入り検査や、周辺からのタレコミ、あるいは従業員とのトラブルなどをきっかけに、簡単に実態を見抜きます。1. お金の流れ(通帳・賃貸契約)売上金は誰の口座に入っているか?従業員の給与は誰が支払っているか?物件の賃貸契約は誰の名義か?開業資金の出所はどこか?(名義人に不自然な資金力がないか)これらを辿れば、名義人が単なる「雇われ」であることは一目瞭然です。2. 指揮命令系統現場で実際に指示を出しているのは誰か?採用の決定権を持っているのは誰か?警察が立ち入り検査に来た際、名義人が店の状況を全く把握していない。3. 欠格事由(前科など)の隠蔽そもそも名義貸しをする動機の多くは、真の経営者に「懲役刑の経験がある」「過去5年以内に許可を取り消された」といった欠格事由(けっかくじゆう)があることです。 警察は「なぜ本人が申請しないのか?」を常に疑ってかかります。もし欠格事由がある者が裏で経営しているとわかれば、悪質性が高いとして即座に摘発対象となります。無許可営業のペナルティは「営業停止」では済まない名義貸し以外にも、「許可が必要なのに届出だけで営業していた(偽装バー)」などの「無許可営業」に対する罰則も強化されています。懲役刑を含む刑事罰無許可営業を行った場合、「2年以下の懲役もしくは200万円以下の罰金」が科されます。 行政処分(営業停止)だけでなく、刑事罰として「前科」がつくことになります。5年間は許可が取れなくなる一度でも風営法違反で許可を取り消されたり、刑罰を受けたりすると、その後5年間は風俗営業の許可を取ることができなくなります。また、法人であれば役員全員が対象となるため、他のビジネスにも多大な悪影響を及ぼします。クリーンな経営こそが最強の防衛策「バレないように隠す」ことにエネルギーを使うよりも、最初から法令を遵守した体制を作る方が、結果的に長く安定して稼ぎ続けることができます。欠格事由がある場合: 無理に名義貸しをするのではなく、欠格期間が明けるのを待つか、許可が不要な別のビジネスモデルを検討する。法人がいいか、個人がいいか: 将来的な展開を見据えて、適切な形態で申請する。当事務所では、単なる書類作成だけでなく、「今の経営体制に法的なリスクはないか?」というコンプライアンス診断も行っています。「これって名義貸しになる?」と不安な方は、申請前に必ずご相談ください。秘密厳守で適切なアドバイスをいたします。記事のまとめ名義貸しは犯罪: 借りた側も貸した側も逮捕・罰金のリスクがある。警察の目は欺けない: 資金の流れや指揮命令系統から実質経営者は特定される。重いペナルティ: 懲役、罰金に加え、5年間業界から追放される。解決策: 小手先の隠蔽工作はやめ、専門家に相談して適法なスキームを構築する。