会社設立の第一歩!「定款」とは?記載事項から電子定款で4万円得する方法まで徹底解説
会社設立
公開日:2024/10/25
更新日:2025/12/1
会社を設立する際、必ず作成しなければならないのが**「定款(ていかん)」です。
よく「会社の憲法」に例えられますが、これは会社の基本的な情報や守るべき重要なお客様との約束事を定めた、まさに「会社のルールブック」**です。
法務局への設立登記だけでなく、設立後の銀行口座開設や、業種によっては許認可申請の際にも提出を求められる非常に重要な書類です。
この記事では、定款に記載すべき内容、今主流となっている「電子定款」のメリット、そして専門家へ依頼する意義について、分かりやすく解説します。
1. 定款には何を書く?3つの重要な記載事項
定款に記載する内容は法律で決められており、大きく分けて「絶対的記載事項」「相対的記載事項」「任意的記載事項」の3つがあります。
【重要】絶対的記載事項(必ず書くこと)
これらが一つでも欠けていると、定款そのものが無効になってしまいます。
項目 | 内容 | |
目的 | 会社がどのような事業を行うのかを記載します。 | ※将来行う予定の事業も書いておくことができます。 |
商号 | 会社の名前です。(例:株式会社〇〇、〇〇合同会社) | |
本店の所在地 | 会社の本拠地となる住所です。(最小行政区画まででも可) | |
出資される財産の価額等 | 資本金の額や、現物出資される財産の価額です。 | |
発起人の氏名・住所 | 会社を作る人(出資者)の氏名と住所です。 | |
(発行可能株式総数) | ※株式会社の場合、会社が発行できる株式の上限数も必須です。 |
★行政書士からのワンポイント・アドバイス
「目的」の書き方には特に注意が必要です!
例えば、古物商、建設業、宅建業など、開業に許認可が必要な事業を行う場合、定款の目的にその事業内容が適切に記載されていないと、許認可が下りない可能性があります。将来の事業展開も見据えて、専門家と相談しながら慎重に決めることをお勧めします。
相対的記載事項(定めておくと効力が出る)
記載しなくても定款は有効ですが、会社としてルールを有効にしたい場合に記載します。
現物出資(お金以外の資産を出資すること)の内容
発起人が受ける特別な利益や報酬
会社の設立費用を会社が負担する場合の金額 など
任意的記載事項(自由に決められるルール)
法律に反しない限り、会社が自由に決めて記載できるルールです。記載すれば定款としての効力を持ちます。
事業年度(決算期をいつにするか)
定時株主総会の招集時期
株主総会の議長を誰にするか など
2. 今どきの主流は「電子定款」!紙との違いとメリット
定款は、以前は紙で作成して印刷・製本するのが一般的でしたが、現在はPDFデータで作成する「電子定款」が主流です。その最大の理由はコストにあります。
最大のメリットは「印紙代4万円」が不要になること
紙の定款は「課税文書」となるため、4万円の収入印紙を貼る必要があります。
しかし、電子データである電子定款には印紙税がかかりません。 つまり、電子定款にするだけで設立費用を確実に4万円節約できます。
定款の種類 | 収入印紙代 | 必要なもの |
紙の定款 | 40,000円 | 印刷・製本・押印 |
電子定款 | 0円(無料) | 電子署名・専用ソフト等 |
自分で電子定款を作るのは大変?
「4万円浮くなら自分でやろう」と思われるかもしれませんが、ご自身で電子定款を作成するには、電子署名付与のための環境を整える必要があります。
電子証明書付きのマイナンバーカード
ICカードリーダライタ
PDFに電子署名ができる専用ソフト(Adobe Acrobat Proなど ※有料)
これらをゼロから揃えると機材・ソフト代でコストがかかる上、システム設定の手間も発生します。専門家に依頼すれば、これらの環境準備は一切不要で、印紙代0円のメリットだけを享受できます。
3. 株式会社と合同会社で違う「定款認証」
定款を作成した後の手続きも、会社の形態によって異なります。
株式会社の場合:公証役場での「定款認証」が必須
作成した定款が正当なものであることを公証人に証明してもらう手続きです。別途、公証人手数料(約3万~5万円)がかかります。電子定款ならオンラインで申請でき、手続きがスムーズです。
合同会社の場合:「定款認証」は不要
公証人の認証は必要ありません。そのため、公証人手数料もかかりません。
4. 行政書士に依頼するメリットは「トータルサポート」
最近はネット上のひな形や、会計ソフト会社が提供する定款作成サービスを利用して、ご自身で定款を作成することも可能です。(日本公証人連合会HPでも支援ツールがあります)
しかし、ご自身で作成される場合、前述した「目的」の書き方のミスや、法的な不備が発生するリスクがあります。
専門家(行政書士・司法書士)に頼む意義
設立登記手続きそのものは司法書士の独占業務であり、行政書士が行うことはできません。(弊事務所では提携の信頼できる司法書士をご紹介し、ワンストップで対応します)
では、行政書士に依頼するメリットは何でしょうか?それは「会社設立の前後を含めたトータルサポート」にあります。
会社を作ることはゴールではありません。スタートです。
行政書士は、定款作成だけでなく、その後の事業運営を見据えた支援が可能です。
許認可申請:事業開始に必要な許認可の取得をスムーズに進めます。
創業融資・補助金申請:事業計画の策定や資金調達をサポートします。
専門家へのハブ機能:税理士(税務)、社労士(社会保険)など、必要なタイミングで最適な専門家にお繋ぎします。
弊事務所では、単なる書類作成代行にとどまらず、お客様の事業の成功を後押しするための幅広い支援を行っております。起業をお考えの方は、ぜひお気軽にご相談ください。
コラムを書いた人
篠原 博之
行政書士・AFP
行政書士しのはら事務所 代表
個人税理士事務所・中小企業の総務部長・税理士法人のIT担当の経験を経て独立
バックオフィスのDXに注力している。
登録番号:第24080248号|東京都行政書士会 新宿支部所属
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