【2027年4月改正】特定技能1号の支援体制要件が変更|受入れ企業・登録支援機関への影響を解説
外国人ビザ申請(在留資格)
公開日:2026/8/29
更新日:2026/8/29
2027年4月1日から、特定技能1号の外国人に対する「支援体制」の要件が改正されます。
出入国在留管理庁は2026年7月28日、「1号特定技能外国人への支援体制に係る要件の改正について」を公表しました。
今回の改正では、1号特定技能外国人に対する支援をより適正に行うため、支援責任者・支援担当者の選任方法や、実際に支援業務を行うことができる人の範囲などが見直されます。
特に登録支援機関や、自社で1号特定技能外国人の支援を行っている企業にとっては、現在の支援体制を見直す必要が生じる可能性があります。
この記事では、2026年8月時点で出入国在留管理庁から公表されている情報をもとに、2027年4月から何が変わるのか、受入れ企業・登録支援機関は何を確認しておくべきなのかを行政書士が解説します。
- 2027年4月1日から特定技能1号の支援体制が変わります
- 今回の改正には3つの大きなポイントがあります
- ① 支援責任者・支援担当者を事業所ごとに選任
- ② 支援業務を行える人が限定されます
- ③ 支援責任者に養成講習の受講が義務付けられます
- 「支援担当者」だけでなく「支援責任者」も事業所ごとの配置へ
- 登録支援機関への影響は?
- 自社支援をしている受入れ企業にも影響します
- 自社支援が難しくなる企業も出てくる可能性があります
- 登録支援機関への委託でも受入れ企業の義務がなくなるわけではありません
- 2026年のうちに確認しておきたいこと
- 今後公表される情報にも注意が必要です
- まとめ|2027年4月までに特定技能1号の支援体制を確認しましょう
2027年4月1日から特定技能1号の支援体制が変わります
「特定技能1号」の外国人を受け入れる場合、受入れ企業(特定技能所属機関)は、外国人が日本で安定的かつ円滑に活動できるようにするため、「1号特定技能外国人支援計画」を作成し、その計画に基づいた支援を行わなければなりません。
自社で適切な支援体制を構築することが難しい場合には、登録支援機関に支援計画の全部の実施を委託することもできます。
今回、この支援を適正に実施するための体制について省令等が改正され、2027年4月1日から新しい要件が適用されることになりました。
今回の改正には3つの大きなポイントがあります
出入国在留管理庁が公表している主な改正点は、次の3つです。
① 支援責任者・支援担当者を事業所ごとに選任
② 支援業務を行える人を支援責任者・支援担当者に限定
③ 支援責任者に養成講習の受講を義務付け
それぞれ詳しく見ていきます。
① 支援責任者・支援担当者を事業所ごとに選任
2027年4月からは、支援責任者と支援担当者を、支援を行う事業所ごとに、それぞれ常勤の役員または職員の中から1名以上選任することが必要となります。
登録支援機関の場合には、「支援業務を行う事務所」ごとの選任が必要です。
なお、支援責任者と支援担当者について、それぞれ別の人を配置しなければならないというわけではありません。
要件を満たしていれば、支援責任者が支援担当者を兼務することも可能とされています。
複数の事業所・事務所で支援業務を行っている企業や登録支援機関では、現在の人員配置で新しい要件を満たすことができるのか確認しておく必要があります。
② 支援業務を行える人が限定されます
今回の改正でもう一つ重要なのが、実際に支援業務を行うことができる人の範囲です。
2027年4月からは、1号特定技能外国人への支援業務に従事できる人が「支援責任者・支援担当者」に限定されます。
そのため、「支援責任者・支援担当者として選任されていない社員が、必要に応じて支援業務を行う」といった現在の運用をしている場合には注意が必要です。
支援を担当している社員が誰なのかを整理したうえで、実際に支援業務に従事する人を適切に支援責任者・支援担当者として選任する必要があります。
③ 支援責任者に養成講習の受講が義務付けられます
2027年4月からは、支援責任者について、支援能力を向上させるための養成講習の受講が義務付けられます。
講習では、入管法や労働関係法令など、1号特定技能外国人への支援を適切に行うために必要な知識を学ぶことが予定されています。
これまで支援業務に関する経験がある人であっても、制度施行後は新たな講習受講への対応が必要になる可能性があります。
登録支援機関だけでなく、自社支援を行っている企業も対象となるため、今後公表される講習の実施方法や受講時期などを確認しておく必要があります。
「支援担当者」だけでなく「支援責任者」も事業所ごとの配置へ
今回の改正で特に注意したいのが、「事業所ごと」という考え方です。
複数の事業所で特定技能外国人を支援している場合、一人の支援責任者だけを選任しておけばよいとは限らなくなります。
支援を行う事業所ごとに、常勤の役員または職員から支援責任者・支援担当者を選任することが求められます。
登録支援機関についても同様に、支援業務を行う事務所ごとに配置する必要があります。
全国に複数拠点を持つ登録支援機関や、複数事業所で自社支援を行っている企業にとっては、特に影響の大きな変更となる可能性があります。
登録支援機関への影響は?
登録支援機関は、受入れ企業から委託を受けて、1号特定技能外国人への支援を行います。
今回の改正では、
支援業務を行う事務所ごとの支援責任者・支援担当者の配置
常勤の役員・職員からの選任
支援業務従事者の限定
支援責任者の養成講習受講
などへの対応が必要となります。
特に、複数の社員で柔軟に支援業務を分担している登録支援機関では、現在の業務分担をそのまま継続できるとは限りません。
誰がどの事務所で支援を担当しているのかを整理し、新しい要件に適合する体制を整えていく必要があります。
自社支援をしている受入れ企業にも影響します
今回の改正は登録支援機関だけを対象とするものではありません。
1号特定技能外国人への支援を自社で実施している特定技能所属機関についても、新しい支援体制要件への対応が必要です。
特定技能1号の受入れ企業には、外国人への支援を適切に実施する義務があります。
そのため、
「登録支援機関を利用していないから今回の改正は関係ない」
というわけではありません。
むしろ少人数で自社支援を行っている企業では、支援責任者・支援担当者の配置や養成講習への対応が可能なのか、早めに確認しておくことが重要です。
自社支援が難しくなる企業も出てくる可能性があります
今回の改正によって、これまで自社で支援を行ってきた企業の中には、支援体制の維持が難しくなるケースも考えられます。
たとえば、
支援を行う事業所が複数ある
支援業務を複数の社員で分担している
支援担当者として配置できる常勤社員が少ない
支援責任者の養成講習への対応が難しい
といった企業では、現在の支援体制をそのまま継続できるか確認が必要です。
自社で新しい要件を満たすことが難しい場合には、登録支援機関への支援委託を検討することも選択肢となります。
登録支援機関への委託でも受入れ企業の義務がなくなるわけではありません
1号特定技能外国人への支援を登録支援機関へ委託した場合でも、受入れ企業としてのすべての義務がなくなるわけではありません。
受入れ企業には、適切な特定技能雇用契約を締結・履行することや、出入国在留管理庁などへの各種届出を行うことなど、特定技能所属機関としての義務があります。
また、登録支援機関に支援を委託している場合でも、特定技能所属機関が行わなければならない届出があります。
「支援を委託しているから特定技能に関する手続はすべて登録支援機関が行う」と考えないよう注意が必要です。
2026年のうちに確認しておきたいこと
施行日は2027年4月1日ですが、現在1号特定技能外国人を受け入れている企業や登録支援機関では、早めに現在の支援体制を確認しておくことをおすすめします。
具体的には、
① 支援を行っている事業所・事務所はいくつあるか
② 現在の支援責任者・支援担当者は誰か
③ 実際に支援業務を行っている社員は誰か
④ 各事業所で常勤の支援責任者・支援担当者を配置できるか
⑤ 支援責任者の養成講習に対応できるか
などを整理しておくとよいでしょう。
複数拠点で多数の特定技能外国人を支援している場合には、特に早めの確認が重要です。
今後公表される情報にも注意が必要です
2026年8月時点では、出入国在留管理庁から今回の改正の主な内容が公表されています。
一方、実際の運用に必要となる詳細については、今後追加の情報が公表される可能性があります。
特に、
養成講習の具体的な内容
講習の実施機関
受講時期
経過措置
申請・届出様式
運用要領の改正
などについては、最新情報を確認することが重要です。
2027年4月の施行直前になってから支援体制を変更するのではなく、今後公表される情報を確認しながら準備を進めることをおすすめします。
まとめ|2027年4月までに特定技能1号の支援体制を確認しましょう
2027年4月1日から、1号特定技能外国人に対する支援体制の要件が改正されます。
今回の主な変更点は、
① 支援を行う事業所ごとに、常勤の役員・職員から支援責任者・支援担当者を1名以上選任
② 支援業務に従事できる人を支援責任者・支援担当者に限定
③ 支援責任者に養成講習の受講を義務付け
の3点です。
特に複数拠点で支援を行っている登録支援機関や、自社で特定技能外国人への支援を行っている企業では、現在の体制をそのまま継続できるか確認しておく必要があります。
行政書士しのはら事務所では、特定技能1号の在留資格申請・更新申請をはじめ、特定技能外国人を受け入れる企業からのご相談を承っています。
特定技能外国人の受入れや在留資格手続についてお困りの場合は、お気軽にご相談ください。
※本記事は2026年8月29日時点で出入国在留管理庁が公表している情報をもとに作成しています。今後、運用要領や講習制度などの詳細が公表される可能性があるため、最新情報をご確認ください。
この記事を書いた人
篠原 博之
行政書士・AFP
行政書士しのはら事務所 代表
個人税理士事務所・中小企業の総務部長・税理士法人のIT担当の経験を経て独立
バックオフィスのDXに注力している。
登録番号:第24080248号|東京都行政書士会 新宿支部所属
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