新宿区高田馬場の行政書士事務所

外国人採用後の在留資格管理完全ガイド2026|更新・変更・退職時の実務を企業向けに解説

外国人ビザ申請(在留資格)

公開日:2026/9/4

更新日:2026/9/4

外国人を採用した企業にとって、在留資格の管理は「採用時にビザを確認して終わり」ではありません。

採用後も、

  • 在留期限がいつまでなのか

  • 現在の仕事内容が在留資格の範囲内か

  • 更新申請はいつから準備するのか

  • 配属や仕事内容を変更したときに在留資格変更が必要か

  • 転職・退職した場合にどのような届出が必要か

などを継続的に確認する必要があります。

特に外国人従業員が増えてくると、本人任せの管理では「気づいたら在留期限が迫っていた」というケースも起こり得ます。

そこで本記事では、外国人を雇用する中小企業の代表者・人事担当者向けに、外国人採用後の在留資格管理、在留期間更新、在留資格変更、退職時の対応、ビザ申請代行を利用する判断基準について、2026年時点の制度をもとに解説します。



外国人採用後に企業が管理すべきことは?

結論からいうと、企業では最低限、次の事項を管理しておくことをおすすめします。

  1. 在留資格

  2. 在留期間の満了日

  3. 就労制限の内容

  4. 資格外活動許可の有無

  5. 実際に担当している仕事内容

  6. 所属部署・勤務地

  7. 更新申請の予定時期

  8. 配属変更・職務変更の有無

外国人を雇用するときは、単に在留カードを持っているかだけではなく、「その在留資格で予定している仕事ができるか」を確認することが重要です。

出入国在留管理庁も、外国人を雇用する際には、在留カードの「在留資格」「在留期間の満了日」「就労制限の有無」「資格外活動許可の有無」などを確認するよう案内しています。citeturn768028search2turn768028search6

採用時に確認した後も、在留期間の更新や仕事内容の変更などに応じて情報を更新していく必要があります。


在留資格の「更新」と「変更」は何が違う?

外国人雇用の実務で混同されやすいのが、在留期間更新許可申請在留資格変更許可申請です。

在留期間更新許可申請

現在持っている在留資格の活動をそのまま続けながら、在留期間を延長する手続です。

例えば、

「技術・人文知識・国際業務」の外国人が、引き続き同じ会社でエンジニアとして勤務する

という場合には、原則として在留期間更新許可申請を行います。

在留期間が6か月以上ある場合、原則として在留期間満了日の3か月前から更新申請が可能です。

在留資格変更許可申請

現在の在留資格とは異なる活動を行う場合に必要となる手続です。

例えば、

  • 「留学」から「技術・人文知識・国際業務」へ変更して就職する

  • 「特定技能」から「技術・人文知識・国際業務」に変更する

  • 現在の在留資格では認められていない職種へ変更する

といったケースが考えられます。

「技術・人文知識・国際業務」についても、出入国在留管理庁は、他の在留資格を持つ外国人が活動内容を変更して技人国に該当する活動を行おうとする場合には、在留資格変更許可申請を行うことを案内しています。


転職したら在留資格変更が必ず必要?

必ずしも必要ではありません。

例えば「技術・人文知識・国際業務」を持っている外国人がA社からB社へ転職した場合でも、B社で行う仕事内容が引き続き「技術・人文知識・国際業務」に該当するのであれば、転職したことだけを理由として在留資格を変更するわけではありません。

ただし、ここで重要なのが新しい会社で行う仕事内容も現在の在留資格の範囲内であるかという点です。

例えば、前職ではエンジニアとして勤務していた外国人が、転職後は主として単純作業に従事するといった場合、同じ在留資格のまま働けるとは限りません。

そのため転職者を採用する場合には、

「在留資格の名称が合っているから大丈夫」

と判断するのではなく、外国人本人の学歴・職歴と、新しい会社で担当する具体的な業務内容まで確認することが重要です。


技術者を採用するときは「仕事内容」の管理が特に重要

中小企業からの相談が多い在留資格の一つが「技術・人文知識・国際業務」です。

いわゆる「技人国」と呼ばれる就労ビザで、エンジニア、設計、営業、マーケティング、通訳・翻訳など幅広い業務で利用されています。

一方で、

「会社員であればどんな仕事でもできる在留資格」ではありません。

外国人本人の学歴や職歴と仕事内容との関連性、業務内容の専門性などが審査されます。

さらに、採用後に仕事内容が変わった場合も注意が必要です。

例えば、

採用時:システムエンジニア

数年後:製造現場中心の業務へ配置転換

といった場合、変更後の仕事内容が現在の在留資格の範囲に含まれるのかを確認する必要があります。

出入国在留管理庁は2026年4月にも「技術・人文知識・国際業務」の運用に関する資料を更新しており、実務研修、ホテル・旅館での勤務、通訳・翻訳等の業務についても具体的な考え方を公表しています。

そのため企業側でも、入社時だけでなく、人事異動や職務変更の際に在留資格との整合性を確認する仕組みを作っておくことが重要です。


在留期間更新はいつから準備すればいい?

在留期間が6か月以上の場合、更新申請は原則として在留期限の3か月前から可能です。

しかし、企業の実務としては、申請可能になってから準備を始めるよりも、さらに早い段階から期限を把握しておくことをおすすめします。

例えば、

在留期限6か月前
→ 人事管理表などで更新対象者を確認

在留期限4か月前
→ 本人に更新予定や転職予定等を確認

在留期限3か月前
→ 必要書類を収集し、更新申請を開始

という流れにしておくと安心です。

外国人従業員が複数いる会社では、Excelや人事システムなどで、

「在留期限の6か月前・3か月前・1か月前」

などにアラートが出るようにしておくのも有効です。


更新申請では会社の状況も確認される

「前回ビザが許可されているから、今回も同じ書類を出せば大丈夫」

とは限りません。

在留期間更新では、外国人本人だけでなく、

  • 現在の勤務先

  • 雇用状況

  • 給与

  • 職務内容

  • 会社の経営状況

  • 税金や社会保険等の状況

などが審査に影響することがあります。

特に転職後初めての更新では、現在の会社で行っている業務について改めて確認される可能性があります。

また、

  • 入社後に仕事内容が変わった

  • 給与が大きく変わった

  • 会社の経営状況が変化した

  • 新設会社へ転職した

といった場合には、通常の更新より慎重に準備した方がよいでしょう。


外国人が転職・退職した場合の届出にも注意

外国人が会社を退職したり、新しい会社へ転職した場合には、在留資格によって本人に「所属(契約)機関に関する届出」が必要になることがあります。

例えば「技術・人文知識・国際業務」の外国人については、契約機関との契約終了や新たな契約締結などがあった場合、原則として本人が14日以内に出入国在留管理庁へ届け出ます。

企業側としても、退職手続の際に、

「入管への届出が必要になる可能性があります」

と本人へ案内しておくとよいでしょう。

会社側はハローワークへの届出も確認

外国人を雇い入れたり、外国人が離職した場合には、事業主には原則として「外国人雇用状況の届出」が義務付けられています。

雇用保険の被保険者となる外国人の場合は、雇用保険被保険者資格取得届・喪失届によって外国人雇用状況の届出を行うことになります。

雇用保険の被保険者とならない外国人についても、所定の外国人雇用状況届出書による届出が必要です。

つまり外国人が入社・退職した場合には、

本人が行う入管への届出

会社が行う外国人雇用状況の届出

を混同しないことが重要です。


外国人従業員を一括管理する方法

外国人従業員が1~2名であれば、人事担当者が個別に管理することも可能です。

しかし、5名、10名と増えてくると、在留期限だけを記憶して管理することは現実的ではありません。

最低限、次のような管理表を作成しておくことをおすすめします。

管理項目

内容

氏名

在留カード記載の氏名

在留資格

技人国・特定技能など

在留期限

在留カード記載の満了日

更新開始予定日

原則として期限3か月前を基準

所属部署

現在の配属先

職務内容

実際に担当している業務

雇用形態

正社員・契約社員等

更新状況

未着手・準備中・申請中・許可

備考

転職・職務変更等

重要なのは、在留期限だけを管理しないことです。

「在留資格」と「実際の仕事内容」をセットで管理することで、配置転換などによる在留資格上の問題を早期に発見しやすくなります。


ノーコードツール×AIで在留資格管理を効率化する

外国人従業員が増えてきた場合、Excelだけで管理するのではなく、ノーコードツールやAIを活用して在留資格管理を仕組み化する方法もあります。

例えば、従業員ごとに、

  • 氏名

  • 在留資格

  • 在留期限

  • 所属部署

  • 職務内容

  • 更新予定日

  • 更新申請の進捗状況

  • 在留カードの確認日

などをデータベース化しておきます。

そのうえで、

在留期限の6か月前になったら担当者へ通知する
3か月前になったら本人へ必要書類の案内を送る
更新申請中の従業員だけを一覧表示する

といった管理を自動化することも可能です。

AIを組み合わせると、さらに管理しやすくなる

生成AIを組み合わせれば、単なる期限管理だけでなく、人事担当者の事務負担をさらに軽減できる可能性があります。

例えば、

  • 更新対象者への案内メールの下書きを作成する

  • 必要書類のチェックリストを作成する

  • 人事異動時に確認すべき項目を整理する

  • 外国人従業員ごとの対応状況を要約する

  • 社内の外国人雇用に関する質問を整理する

といった使い方が考えられます。

例えば、

ノーコードツールで期限や申請状況を管理し、AIで案内文や確認事項を作成する

という組み合わせであれば、専用の在留資格管理システムを一から開発しなくても、中小企業でも比較的導入しやすいでしょう。

AIに在留資格の判断をすべて任せない

一方で注意したいのは、AIによる回答だけで在留資格上の可否を判断しないことです。

例えば、

「この仕事内容なら技術・人文知識・国際業務で働ける」

「この人は在留資格変更をしなくても問題ない」

といった判断は、本人の学歴・職歴、具体的な仕事内容、これまでの在留状況などを踏まえて個別に検討する必要があります。

そのためAIは、

管理・通知・情報整理を効率化するツール

として利用し、在留資格に関する個別判断については出入国在留管理庁の最新情報を確認したり、必要に応じて行政書士などの専門家へ相談したりする使い分けが重要です。


中小企業では「人+システム+専門家」の組み合わせも有効

外国人従業員が増えてきた企業では、

社内担当者
+ ノーコード・AIによる管理
+ 行政書士による在留資格手続のサポート

という体制を作る方法もあります。

日常的な在留期限や進捗状況は社内システムで管理し、更新・変更が必要になった段階で行政書士へ相談することで、すべてを人事担当者だけで管理する必要がなくなります。

特に専任の外国人雇用担当者を置くことが難しい中小企業では、こうした仕組みを作ることで、外国人採用後の管理負担を抑えながら、在留資格に関する手続漏れを防ぎやすくなります。


在留資格管理を本人任せにするリスク

「ビザは外国人本人の問題だから、会社は期限だけ確認すればいい」

と考える企業もあります。

しかし、外国人雇用においては、企業側にも適法に就労できる外国人であることを確認することが求められます。

在留カードでは、特に、

  • 在留資格

  • 在留期間満了日

  • 就労制限の有無

  • 資格外活動許可

を確認することが重要です。

外国人本人が制度を十分理解しているとは限りません。

そのため、

本人が更新するはずだったのに忘れていた

本人はできると思っていた仕事が在留資格上認められなかった

といった問題を防ぐためにも、企業側で一定の管理体制を作ることが重要です。


外国人採用のビザ申請代行を利用した方がよいケース

すべての在留資格手続を専門家へ依頼する必要があるわけではありません。

外国人本人や企業が書類を準備し、申請することも可能です。また、一定の要件を満たせば、所属機関の職員が在留申請オンラインシステムを利用することもできます。

一方で、次のようなケースでは行政書士などへの就労ビザ申請代行を検討してもよいでしょう。

1.初めて外国人を採用する

初めての外国人採用では、

「そもそもこの仕事で技人国が取れるのか」

というところから判断する必要があります。

採用後に在留資格が認められないことが判明すると、採用計画そのものに影響します。

2.外国人従業員が増えてきた

外国人従業員が増えるほど、在留期限管理や更新手続の負担も増えます。

更新時期の管理から申請まで一括して外部へ依頼することで、人事担当者の負担を減らせる場合があります。

3.転職者を採用する

すでに就労ビザを持っている外国人でも、新しい会社で同じように働けるとは限りません。

転職後の業務内容が現在の在留資格に該当するか確認することが重要です。

4.仕事内容や配属を変更する

人事異動によって担当業務が変わる場合も注意が必要です。

特に「技術・人文知識・国際業務」は業務内容との関係が重要になるため、配置転換前に確認しておくと安心です。

5.更新まで時間がない

在留期限直前になってから書類を準備すると、人事担当者にも外国人本人にも大きな負担がかかります。

更新期限を一括管理し、早めに手続きを開始する仕組みを作ることが重要です。


中小企業こそ在留資格管理を仕組み化する

大企業では外国人雇用を専門に担当する部署を設けていることがありますが、中小企業では人事・総務担当者が他の業務と兼任しているケースが一般的です。

そのため、外国人従業員が増えるにつれて、

「誰がいつ更新なのかわからない」

「転職者なので前回の申請内容がわからない」

「人事異動したが、ビザ上問題ないのかわからない」

といった問題が起こりやすくなります。

そこで、

採用時確認 → 在留期限管理 → 更新 → 配属変更確認 → 退職時対応

までを一つの業務フローとして管理することが重要です。

必要に応じて行政書士など外部の専門家を利用し、人事担当者は採用・労務管理に集中するという方法もあります。


外国人採用後の在留資格管理チェックリスト

外国人従業員について、次の項目を確認してみましょう。

  • 在留カードを確認している

  • 在留資格を記録している

  • 在留期限を管理している

  • 更新3~6か月前に確認できる仕組みがある

  • 就労制限の有無を確認している

  • 実際の仕事内容を記録している

  • 配属変更時に在留資格との整合性を確認している

  • 転職者について現在の仕事が在留資格に適合するか確認している

  • 入社・退職時の届出を把握している

  • 更新申請の担当者を決めている

一つでも管理できていない項目がある場合には、外国人従業員が増える前に管理方法を整理しておくことをおすすめします。


よくある質問

Q. 外国人のビザ更新は会社が行わなければなりませんか?

在留期間更新許可申請の申請人は原則として外国人本人です。

ただし、所属機関の職員が一定の条件のもとオンライン申請を行ったり、申請取次行政書士等へ手続きを依頼したりする方法もあります。

企業としては、本人任せにするのではなく、少なくとも在留期限を把握し、余裕をもって更新準備ができる体制を作っておくことをおすすめします。

Q. 在留期間更新はいつからできますか?

在留期間が6か月以上の場合、原則として在留期限の3か月前から申請できます。

企業ではさらに早い段階から対象者を把握しておくと安心です。

Q. 転職したら就労ビザを取り直す必要がありますか?

転職しただけで必ず在留資格変更が必要になるわけではありません。

ただし、新しい勤務先で行う仕事内容が現在の在留資格で認められる活動に該当する必要があります。

特に「技術・人文知識・国際業務」の場合には、新しい会社での仕事内容と本人の学歴・職歴などを確認することが重要です。

Q. 社内で異動した場合もビザの確認が必要ですか?

確認することをおすすめします。

所属会社が変わらなくても、仕事内容が大きく変われば、現在の在留資格でその仕事を行えるか検討する必要があります。

特に専門職から現場作業中心の業務へ変更する場合などは注意が必要です。

Q. 外国人が退職した場合、会社から入管への届出は必要ですか?

届出の種類によって異なります。

例えば「技術・人文知識・国際業務」などでは、契約機関との契約が終了した場合、外国人本人に原則14日以内の所属(契約)機関に関する届出が必要です。

一方、会社には原則としてハローワークへの外国人雇用状況の届出があります。

それぞれ別の制度なので注意しましょう。

Q. 外国人のビザ申請を会社から行政書士へまとめて依頼できますか?

申請取次を行う行政書士へ、在留期間更新や在留資格変更などの手続を依頼することができます。

外国人従業員が複数いる企業では、更新時期の管理と合わせて継続的に依頼することで、人事担当者の負担軽減につながる場合があります。


まとめ|外国人採用は「採用後のビザ管理」まで考える

外国人採用では、採用時に在留資格を確認するだけでは十分ではありません。

採用後も、

在留期限の管理
→ 更新申請
→ 仕事内容の確認
→ 配属変更時の確認
→ 転職・退職時の届出

という一連の管理が必要になります。

特に「技術・人文知識・国際業務」などの就労ビザでは、外国人本人が持っている在留資格と、実際に行っている仕事内容との整合性が重要です。

外国人従業員が増えてきた企業では、本人ごとの個別管理から、会社としての一括管理へ切り替えることをおすすめします。

行政書士しのはら事務所では、外国人を採用する企業向けに、技術・人文知識・国際業務をはじめとする就労ビザの申請、更新・変更手続についてご相談を承っています。

「この仕事で採用できるのかわからない」

「転職者を採用するが、現在のビザのままで問題ないか確認したい」

「外国人従業員の更新手続をまとめて依頼したい」

といった場合も、お気軽にご相談ください。

この記事を書いた人

篠原 博之

行政書士・AFP
行政書士しのはら事務所 代表

個人税理士事務所・中小企業の総務部長・税理士法人のIT担当の経験を経て独立
バックオフィスのDXに注力している。
登録番号:第24080248号|東京都行政書士会 新宿支部所属

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