新宿区高田馬場の行政書士事務所

【入管庁が具体額を提示】在留資格の手数料はこうなる ― 更新・変更は1万円〜75,000円の7段階制、永住許可は20万円へ

外国人ビザ申請(在留資格)

公開日:2026/7/6

更新日:2026/7/6

はじめに ― ついに「いくらになるか」が見えてきた

2026年5月29日に成立した改正入管法により、在留関係手続の手数料が大幅に引き上げられることが決まっていましたが、これまで具体的な金額は「政令で定める」とされ、報道ベースの見通ししかありませんでした。

このたび、出入国在留管理庁から改正入管法施行令(第25条第1項)に基づく手数料額の案が示され、改定後の金額の全体像が明らかになりました。

本コラムでは、この入管庁提示の案を中心に、①具体的にいくらになるのか、②誰にどの程度の影響があるのか、③今からできる対策、の3点を行政書士の視点から整理します。

※本コラムで紹介する金額はあくまで「案」の段階であり、正式には今後の政令公布により確定します。最新情報は出入国在留管理庁の公表資料をご確認ください。



1. 改定後の手数料額(入管庁提示の案)

在留資格変更許可・在留期間更新許可 ― 許可期間に応じた7段階制へ

現行は許可期間にかかわらず一律6,000円(オンライン申請5,500円)ですが、改定後は許可される在留期間が長いほど手数料が高くなる段階制が導入されます。

許可期間

窓口申請

オンライン申請

3月以下

10,000円

10,000円

3月超6月以下

18,000円

15,000円

6月超1年未満

25,000円

21,000円

1年

33,000円

27,000円

1年超3年未満

48,000円

42,000円

3年以上5年未満

64,000円

56,000円

5年以上

75,000円

65,000円

(現行:窓口6,000円/オンライン5,500円)

永住許可

許可

現行

改定後(案)

永住許可(窓口)

10,000円

200,000円

この案から読み取れる3つのポイント

① 最も一般的な「1年」でも約5倍 就労系在留資格で最も許可例の多い在留期間「1年」の場合、窓口33,000円・オンライン27,000円。現行6,000円の約4.5〜5.5倍です。

② オンライン申請の優遇が明確に 3月以下を除くすべての区分で、オンライン申請は窓口より安く設定されています。優遇幅は期間が長いほど大きく、「1年」で6,000円差、「5年以上」では10,000円差。改定後はオンライン申請を使うかどうかで現行手数料1回分以上の差がつくことになります。

③ 永住許可は20倍 永住許可は現行10,000円から200,000円へ。今回の改定で最も影響の大きい手続です。

なお、成立した改正入管法では手数料の法定上限が更新・変更10万円・永住30万円と定められていますが、これはあくまで政令で定め得る上限枠であり、今回示された案の金額はいずれもその範囲内に収まっています。「更新が10万円になる」わけではありませんので、混同にご注意ください。


2. 施行時期と適用の基準 ― 「いつの申請から」新料金になるのか

施行日は「2027年3月31日までの政令で定める日」とされ、報道では2026年10月頃が有力視されています。

実務上もっとも重要なのが、新旧どちらの手数料が適用されるかの基準です。前回2025年4月1日の改定(4,000円→6,000円等)では、「施行日より前に受け付けられた申請は、許可が施行日以降になっても旧手数料が適用される」という取扱いでした。今回も同様の経過措置が設けられる可能性はありますが、政令が確定するまで断定はできません。

つまり、施行日前に申請を「受付」してもらえるかどうかが、1件あたり数万円、永住なら19万円の差を生む可能性があるということです。


3. 影響が大きいのはこんな方々 ― 具体額で試算

(1)特定技能・技能実習生を多く雇用する企業様

特定技能1号は在留期間「1年」が中心で、更新費用は実務上企業側が負担しているケースが大半です。案の金額(1年・オンライン27,000円)で試算すると――

  • 外国人従業員10名 → 年間27万円

  • 外国人従業員30名 → 年間81万円

現行(5,500円×10名=5.5万円)と比べ、同じ人数でも負担は約5倍。建設業をはじめ外国人材への依存度が高い業種ほど、人件費計画への影響は無視できません。

(2)在留期間「1年」で更新を繰り返している方

段階制といっても、1回あたりの単価は長期のほうが高い一方、累積負担では短期更新の繰り返しが不利になり得ます。たとえば5年間在留する場合――

  • 1年更新×5回(オンライン):27,000円×5回=135,000円

  • 5年を1回で取得(オンライン):65,000円

差額は7万円。「3年」「5年」の在留期間をいかに取得するかが、これまで以上に重要な戦略テーマになります。

(3)永住許可の申請を検討中の方

現行10,000円→案では200,000円。差額は19万円です。ご夫婦とお子様1名の3名世帯で同時に永住申請する場合、許可時の手数料だけで60万円になる計算です。永住要件(居住年数、収入・納税、年金・健康保険の納付状況など)をすでに満たしている方は、施行前の申請を真剣に検討すべきタイミングです。

(4)家族帯同の世帯

「家族滞在」等で在留するご家族も、一人ひとりに更新手数料がかかります。世帯単位で見ると負担は人数分倍増します。


4. 今からできる対策 ― 企業編

① 在留期限の一覧化と前倒し申請の検討 外国人従業員全員の在留期限・在留期間を一覧化し、施行前に更新期限を迎える方、施行前の申請が可能な方(更新申請は在留期限の3カ月前から可能)を洗い出しましょう。

② 「長い在留期間」を取りに行く申請品質の確保 前記のとおり、5年を1回で取得できれば1年更新の繰り返しより累計7万円安くなります。在留期間の決定には、雇用の安定性、届出義務の履行状況、申請書類の整合性などが影響します。3年・5年を取得できる申請内容・社内体制を整えることが、直接的なコスト削減につながります。

③ オンライン申請体制の整備 改定後は全区分(3月以下を除く)でオンライン申請が窓口より数千円〜1万円安くなります。所属機関によるオンライン申請の利用申出や、申請等取次者の活用を今のうちに整えておきましょう。

④ 手数料負担ルールの明文化 更新手数料を会社負担とするのか本人負担とするのか、就業規則や雇用契約書・費用負担規程で明確にしておきましょう。数千円の時代には曖昧でも問題になりにくかった論点が、1件3万円前後になれば労使トラブルの火種になり得ます。会社負担とする場合は、福利厚生・定着施策として位置づける発想も有効です。

⑤ 不許可・再申請リスクの回避 手数料は許可時に納付するものですが、不許可になれば書類準備のコストと時間的損失に加え、短い在留期間しか許可されない形での決着は将来の累積手数料増に直結します。一回の申請の完成度を高める重要性が格段に増します。

5. 今からできる対策 ― 外国人ご本人編

  • 永住要件を満たしている方は、施行前の申請を検討する(19万円の差。要件充足の事前診断をおすすめします)

  • 更新期限が近い方は、申請可能時期(期限の3カ月前)が来たら速やかに申請する

  • オンライン申請を活用する(1年なら6,000円、5年以上なら10,000円、窓口より安くなる見込み)

  • 転職・活動内容の変更予定がある方は、在留資格変更のタイミングも施行日を意識して計画する


6. まとめ ― 「安く何度も」から「一回の申請の質」の時代へ

  • 入管庁から改定後の手数料額の具体案が提示された

  • 更新・変更は許可期間に応じた7段階制:1万円(3月以下)〜75,000円(5年以上・窓口)。最多層の「1年」は窓口33,000円・オンライン27,000円

  • 永住許可は20万円(現行の20倍)

  • オンライン申請は窓口より最大1万円安い設定

  • 施行は2026年10月頃〜2027年3月末までの間と見込まれ、前回改定の例では「施行前受付の申請は旧料金」。早めの申請準備が最大の防御策

  • 企業は在留期限の棚卸し・オンライン申請体制・長期在留期間の取得戦略を、個人は永住申請や更新の前倒しを検討すべき局面

金額はまだ「案」の段階です。政令公布により正式決定され次第、本コラムも更新してまいります。


外国人雇用・在留資格のご相談は当事務所へ

行政書士しのはら事務所(東京都新宿区高田馬場)では、建設業許可と在留資格手続の両分野に精通した行政書士が、外国人材を雇用する建設業・中小企業様の在留資格管理を一貫サポートしています。

  • 在留期間更新・在留資格変更申請の代行(オンライン申請対応

  • 永住許可申請の要件診断・申請サポート

  • 特定技能・技術・人文知識・国際業務など就労系在留資格の変更手続

  • 外国人従業員の在留期限管理・社内体制構築のご相談

「うちの従業員は施行前に申請したほうがいいのか?」「3年・5年の在留期間を取るには何を整えればいいのか?」といった個別のご相談も承ります。お気軽にお問い合わせください。

※本コラムは2026年7月時点の成立済み改正入管法および出入国在留管理庁提示の手数料額案に基づいています。正式な金額・施行日・経過措置は今後の政令公布により確定します。

この記事を書いた人

篠原 博之

行政書士・AFP
行政書士しのはら事務所 代表

個人税理士事務所・中小企業の総務部長・税理士法人のIT担当の経験を経て独立
バックオフィスのDXに注力している。
登録番号:第2408248号|東京都行政書士会 新宿支部所属

今すぐ問い合わせる

お電話はこちら

コラム一覧外国人ビザ申請(在留資格)に関するサービス紹介はこちら

お問合せ

ご相談は無料です。まずはお気軽にご連絡ください。

記事を探す

関連コラム

2026/7/20

技人国申請で会社が準備する必要書類|認定・変更申請を企業向けに解説

外国人を「技術・人文知識・国際業務」の在留資格で採用する場合、外国人本人の卒業証明書や履歴書だけでなく、雇用する会社側にもさまざまな書類の準備が必要です。会社が準備する書類は、海外にいる外国人を呼び寄せる「在留資格認定証明書交付申請」か、日本にいる留学生などが在留資格を変更する「在留資格変更許可申請...

2026/6/18

「特定在留カード」とは?──在留カードとマイナンバーカードの一体化で何が変わるのか

日本で暮らす外国人の多くは、在留カード(または特別永住者証明書)とマイナンバーカードの2枚を持っています。しかし現状では、引っ越しや在留資格の変更などのたびに、入管と市区町村の双方でそれぞれ手続きをしなければならず、手間がかかるのが実情でした。この不便を解消するために導入されたのが、「特定在留カード...

2026/5/3

外国人を「技術・人文知識・国際業務」で雇用する際の注意点|業務内容・研修・申請手続きを解説

外国人材を採用する企業が増える中で、特に相談が多い在留資格の一つが「技術・人文知識・国際業務」です。一般的には「技人国」と呼ばれることもあり、エンジニア、通訳・翻訳、海外営業、マーケティング、企画、貿易業務、総合職など、幅広い職種で利用される在留資格です。一方で、名前の印象だけで判断してしまうと、注...

2026/4/29

【行政書士が解説】育成就労「監理支援機関」の許可取得後に求められる運営実務と支援義務

2027年4月1日に施行される育成就労制度では、技能実習制度の「監理団体」に代わって監理支援機関が中心的な役割を担います。許可申請の受付は2026年4月15日から始まり、すでに準備を進めている団体も多いことでしょう。しかし、許可取得は「ゴール」ではなく「スタート」です。 本当に問われるのは、許可取得...

行政書士しのはら事務所コラム

【入管庁が具体額を提示】在留資格の手数料はこうなる ― 更新・変更は1万円〜75,000円の7段階制、永住許可は20万円へ

今すぐ問い合わせる