新宿区高田馬場の行政書士事務所

旅館業許可申請・民泊届出代行の選び方【2026年】|費用・期間・対応範囲を比較

外国人ビザ申請(在留資格)

公開日:2026/8/18

更新日:2026/8/20

ホテル、旅館、簡易宿所、民泊などの宿泊施設を開業する際には、営業形態に応じて旅館業法に基づく許可や、住宅宿泊事業法に基づく届出などが必要になります。

宿泊施設の開業を検討している事業者からは、

「旅館業許可と民泊届出のどちらを選べばよいですか?」

「行政書士へ依頼すれば、保健所・消防・建築の手続をすべて任せられますか?」

「見積金額に大きな差がありますが、何を基準に比較すればよいですか?」

といったご相談をよくいただきます。

旅館業許可や民泊届出では、申請書を作成するだけでなく、計画している物件で宿泊事業ができるかを事前に確認することが重要です。

保健所の基準を満たしていても、消防法、建築基準法、都市計画法、自治体の条例、マンションの管理規約などが問題となり、計画どおりに開業できないケースがあります。

この記事では、旅館業許可申請や民泊届出を行政書士などへ依頼したい中小企業の代表者に向けて、依頼先を選ぶ際のチェックポイント、費用・期間の考え方、対応範囲の違いを実務目線で解説します。


宿泊事業には主に3つの制度がある

一般に「民泊」と呼ばれる宿泊事業には、主に次の制度があります。

制度

手続

主な特徴

旅館業法

営業許可

年間営業日数の上限がない

住宅宿泊事業法

届出

原則として年間180日以内

国家戦略特区法

認定

対象地域や滞在日数などの条件がある

厚生労働省も、宿泊料を受けて人を宿泊させる事業を行う場合には、旅館業法上の許可、住宅宿泊事業法上の届出、国家戦略特区法上の認定のいずれかが必要になると案内しています。

参考:旅館業のページ|厚生労働省

旅館業法の許可

旅館業法には、旅館・ホテル営業、簡易宿所営業、下宿営業があります。

戸建住宅やマンションの一室などを利用して宿泊事業を行う場合、簡易宿所営業または旅館・ホテル営業の許可を検討するケースがあります。

許可基準は旅館業法だけでなく、各自治体の条例にも定められているため、物件所在地によって確認事項が異なります。

住宅宿泊事業法の届出

住宅宿泊事業法に基づく民泊は、都道府県知事等への届出によって行います。

ただし、使用できる建物は「住宅」に該当する必要があり、台所、浴室、便所、洗面設備などの設備要件と居住要件を満たさなければなりません。

営業日数は、毎年4月1日正午から翌年4月1日正午までの1年間で180日以内です。自治体の条例によって、さらに実施できる期間が制限される場合もあります。

参考:住宅宿泊事業法(民泊新法)とは?|民泊制度ポータルサイト

特区民泊

国家戦略特区法に基づく特区民泊は、実施できる自治体が限られています。

旅館業法や住宅宿泊事業法とは要件が異なるため、物件所在地が対象地域か、最低滞在日数などの条件を満たせるかを確認する必要があります。


最初から「旅館業許可」と決めないことが重要

依頼先を探す前に、どの制度を利用するかを整理する必要があります。

判断する際は、次のような条件を確認します。

  • 年間180日を超えて営業したいか

  • 物件が住宅宿泊事業法上の「住宅」に該当するか

  • 用途地域で旅館業が可能か

  • 自治体の条例による営業制限があるか

  • 家主居住型か、家主不在型か

  • 建物全体を使用するか、一部だけを使用するか

  • 管理者を常駐させるか

  • ICT機器を利用した本人確認を行うか

  • 建築用途の変更が必要か

  • 必要な消防設備を設置できるか

「旅館業許可の方が営業日数の制限がないから」という理由だけで決めても、建築・消防・条例上の条件を満たせないことがあります。

一方、住宅宿泊事業法の届出であれば必ず簡単に始められるわけでもありません。

物件と運営計画を確認したうえで、どの制度が現実的かを説明してくれる依頼先を選ぶことが重要です。


旅館業許可・民泊届出の代行先を選ぶ10のポイント

1.物件契約前の確認に対応しているか

旅館業許可や民泊届出で特に重要なのが、物件の契約前に確認を行うことです。

物件を購入または賃借した後になって、

  • 用途地域で旅館業ができない

  • 自治体の条例上の立地条件を満たさない

  • 接道や敷地形状に問題がある

  • 建築確認上の用途と現況が一致していない

  • 消防設備工事に多額の費用がかかる

  • マンションの管理規約で民泊が禁止されている

と判明することがあります。

旅館業の許可申請書を作成できるだけでなく、物件契約前の段階から相談できるかを確認しましょう。

東京都の保健所も、旅館業については平面図などを持参し、できるだけ申請前の計画段階で相談するよう案内しています。

参考:旅館業の申請手続・許可の流れ|東京都保健医療局

2.物件所在地の自治体に対応した経験があるか

旅館業法は全国共通ですが、具体的な基準や申請手続には自治体ごとの条例や運用が関係します。

例えば、次のような点は自治体によって取扱いが異なることがあります。

  • フロント・玄関帳場に関する基準

  • 営業従事者の常駐

  • ICT機器による本人確認

  • 管理者の駆け付け時間

  • 学校等の周辺における手続

  • 近隣住民への事前周知

  • 標識の設置

  • 営業時間・実施期間の制限

  • ごみの処理方法

  • 申請前の事前相談方法

「旅館業許可の実績があるか」だけでなく、物件所在地の自治体の条例や申請フローを確認しているかが重要です。

過去に同じ自治体で申請したことがなくても、条例、手引き、保健所の運用を事前に調査し、必要な照会を行ってくれるか確認しましょう。

3.保健所だけでなく消防・建築も確認してくれるか

旅館業許可は、保健所だけに相談すれば完了する手続ではありません。

一般的には、次の関係部署・専門家との確認が必要になります。

  • 保健所

  • 消防署

  • 建築指導課

  • 都市計画担当部署

  • 清掃・廃棄物担当部署

  • 建築士

  • 消防設備士

  • 工事業者

東京都も、旅館業施設については消防法、建築基準法、都市計画法などが関係するため、各所管部署へ事前相談することが望ましいと案内しています。

依頼先を比較するときは、

「保健所への申請だけを代行するのか」

「消防・建築の確認や専門家との連携まで行うのか」

を確認しましょう。

行政書士が建築確認申請や消防設備工事そのものを行うわけではありませんが、必要な確認事項を整理し、建築士や消防設備士と連携できる事務所であれば、事業者の負担を減らしやすくなります。

4.現地調査と図面確認に対応しているか

旅館業許可や民泊届出では、建物の平面図が重要になります。

図面上では問題がないように見えても、現地を確認すると、

  • 図面と現在の間取りが異なる

  • 増築部分がある

  • 窓や換気設備の位置が違う

  • 避難経路が確保できない

  • 客室として使用できない部分がある

  • 建築確認台帳と登記情報が一致しない

といった問題が見つかることがあります。

現地調査が報酬に含まれているか、図面の作成・修正に対応しているか、建築士による確認が別途必要かを確認しましょう。

5.申請前の行政相談に同行・対応してくれるか

旅館業では、正式な申請前に保健所へ図面を持参して事前相談を行うのが一般的です。

また、消防署や建築担当部署にも、物件の用途、規模、階数、工事内容などを説明して確認します。

事前相談の段階で確認が不十分だと、工事後に追加工事や設計変更が必要になることがあります。

依頼先を選ぶ際は、次の点を確認してください。

  • 保健所への事前相談を含むか

  • 消防署への事前相談を含むか

  • 建築担当部署への照会を含むか

  • 相談結果を文書やメールで報告してくれるか

  • 工事業者との打合せに対応するか

行政窓口へ行った回数だけではなく、相談前に論点を整理し、必要な図面や資料を準備しているかも重要です。

6.見積書に含まれる対応範囲が明確か

旅館業許可代行の見積金額は、事務所によって大きく異なることがあります。

これは、単純な価格差だけでなく、対応範囲が異なることも理由です。

見積書を比較するときは、次の項目が含まれているかを確認しましょう。

項目

確認内容

初回相談

物件・運営計画の確認を含むか

現地調査

訪問回数や交通費を含むか

図面

新規作成・修正の範囲

保健所

事前相談、申請、現地検査を含むか

消防

事前相談、届出、検査対応を含むか

建築

建築担当部署への照会を含むか

近隣周知

文書作成、配布、説明会を含むか

追加資料

行政からの補正対応を含むか

許可後

営業開始後の届出・変更手続を含むか

実費

申請手数料、証明書、交通費、郵送費など

「許可申請一式」とだけ書かれている場合は、どこまで含まれているのか確認する必要があります。

特に、建築士、消防設備士、工事業者へ支払う費用は、行政書士報酬とは別になるのが一般的です。

7.許可取得までの期間を安易に断定していないか

旅館業許可や民泊届出に必要な期間は、物件の状態や自治体によって異なります。

期間に影響する主な要素は次のとおりです。

  • 物件が基準を満たしているか

  • 用途変更の確認申請が必要か

  • 消防設備工事が必要か

  • 近隣周知が必要か

  • 図面や建築資料がそろっているか

  • 保健所・消防の相談予約状況

  • 工事完了後の検査日程

  • 申請後の補正の有無

申請書を提出してから許可までの標準的な処理期間だけを見ても、開業までの期間は判断できません。

実際には、申請前の調査、行政相談、設計、工事に時間がかかることがあります。

物件を確認せずに「必ず1か月で許可が取れます」などと断定するのではなく、工程ごとの見通しと不確定要素を説明してくれる依頼先が安心です。

8.許可が難しい場合も率直に説明してくれるか

宿泊施設の開業では、物件や計画によって許可取得が難しい場合があります。

そのようなときに、

  • どの基準を満たしていないのか

  • 改修によって対応できるのか

  • 改修費用が大きくなる可能性があるか

  • 旅館業ではなく住宅宿泊事業を検討できるか

  • 客室範囲や運営方法を変更できるか

  • その物件での計画を見送るべきか

を説明してくれることが重要です。

申請を受任することを優先するのではなく、事業者が物件契約や工事に進む前にリスクを伝えてくれる事務所を選びましょう。

9.行政書士以外の専門家との役割分担が明確か

旅館業許可の準備では、行政書士だけで完結しないことがあります。

例えば、次の業務にはそれぞれの専門家が関わります。

業務

主に関わる専門家

旅館業許可申請・民泊届出

行政書士

用途変更・建築確認

建築士

消防設備の設計・届出・工事

消防設備士、消防設備業者

内装・設備工事

建設業者、専門工事業者

登記上の表示変更

土地家屋調査士

賃貸借契約・管理規約

不動産会社、弁護士等

税務・会計

税理士

誰がどこまで担当し、別途どの専門家への依頼が必要になるかを、最初に説明してもらいましょう。

「ワンストップ対応」と表示されている場合も、すべてが見積金額に含まれるとは限りません。

10.開業後の運営義務まで説明してくれるか

旅館業許可や民泊届出は、許可・届出が完了すれば終わりではありません。

開業後も、宿泊者名簿、衛生管理、本人確認、近隣対応、標識、変更届などの義務があります。

住宅宿泊事業では、主に次の対応が必要です。

  • 宿泊者名簿の作成・保存

  • 宿泊者の本人確認

  • 外国人宿泊者への外国語による案内

  • 騒音・ごみ・火災防止に関する説明

  • 近隣住民からの苦情対応

  • 標識の掲示

  • 2か月ごとの定期報告

  • 必要に応じた住宅宿泊管理業者への委託

家主不在型の場合や、一つの届出住宅の居室数が5を超える場合には、原則として住宅宿泊管理業者への管理委託が必要になります。

参考:住宅宿泊事業者の業務|民泊制度ポータルサイト

許可・届出だけでなく、営業開始後に何をしなければならないかまで案内してくれるか確認しましょう。


旅館業許可代行の費用を比較するときの注意点

旅館業許可代行の費用は、建物の規模、所在地、営業形態、図面の状態、必要な行政相談の範囲などによって変わります。

単純に報酬額だけを比較するのではなく、次の費用を分けて考えることが重要です。

行政書士へ支払う費用

  • 事前調査

  • 現地確認

  • 保健所等との事前相談

  • 申請書作成

  • 図面作成・補正

  • 申請

  • 現地検査への立会い

  • 近隣周知

  • 補正対応

行政へ支払う費用

  • 旅館業許可申請手数料

  • 証明書の取得費用

  • その他の行政手数料

別の専門家・事業者へ支払う費用

  • 建築士報酬

  • 用途変更の確認申請費用

  • 消防設備士・消防設備業者への費用

  • 内装・設備工事費

  • 測量・登記費用

  • 近隣説明会場等の費用

行政書士の報酬が安くても、現地調査、図面、消防・建築の確認が含まれていなければ、後から追加費用が発生することがあります。

見積書を受け取ったら、追加料金が発生する条件も確認しましょう。


旅館業許可・民泊届出を依頼するタイミング

最も相談に適しているのは、物件の購入・賃貸借契約を締結する前です。

少なくとも、次のタイミングでは一度相談することをおすすめします。

  1. 候補物件が見つかった段階

  2. 賃貸借契約・売買契約を締結する前

  3. 建築士や工事業者へ設計を依頼する前

  4. 内装工事を開始する前

  5. 宿泊予約の受付を開始する前

すでに物件を契約している場合でも、工事を始める前であれば、計画を修正できる可能性があります。

一方、行政との事前相談前に工事を終えてしまうと、追加工事ややり直しが必要になることがあります。


よくある質問

Q.旅館業許可と民泊届出のどちらがよいですか?

年間の営業予定日数、物件の用途・設備、用途地域、自治体の条例、運営体制などによって異なります。

年間180日を超えて営業したい場合は旅館業許可を検討しますが、物件が旅館業の基準を満たせるか確認する必要があります。

Q.行政書士へ依頼すれば必ず許可を取得できますか?

いいえ。

旅館業許可は、物件の構造設備、立地、消防・建築関係法令、自治体の条例などの基準を満たす必要があります。

行政書士へ依頼しても許可が保証されるわけではありませんが、契約・工事前に問題点を確認し、必要な手続や資料を整理して進めることができます。

Q.申請だけを依頼することはできますか?

事務所によっては申請書の作成・提出のみを依頼できます。

ただし、保健所との事前相談や消防・建築の確認を自社で行う必要がある場合には、役割分担を明確にしておきましょう。

Q.消防設備の工事も行政書士へ依頼できますか?

消防設備の設計・工事は、消防設備士や消防設備業者などが担当します。

行政書士事務所によっては、消防署との事前相談や必要設備の確認を行い、消防設備業者と連携して進める場合があります。

Q.用途変更が必要かどうかも確認してもらえますか?

建築基準法上の用途変更や確認申請の要否は、建築士や建築担当部署へ確認する必要があります。

行政書士が確認事項を整理して建築士と連携する場合もありますが、建築確認申請は行政書士の旅館業許可申請とは別の業務です。

Q.申請から許可までどのくらいかかりますか?

自治体の標準処理期間だけでなく、事前相談、図面作成、消防設備工事、建築上の対応、近隣周知などに必要な期間を考慮する必要があります。

物件の状態によって大きく異なるため、候補物件が決まった段階で個別に工程を確認することをおすすめします。


まとめ|代行先は申請料金だけでなく物件調査と対応範囲で選ぶ

旅館業許可申請・民泊届出の代行先を選ぶときは、報酬額だけで判断するのではなく、

  • 物件契約前の確認に対応しているか

  • 物件所在地の条例・運用を確認しているか

  • 保健所だけでなく消防・建築も確認するか

  • 現地調査や図面作成を含むか

  • 行政との事前相談に対応するか

  • 見積書の対応範囲が明確か

  • 許可が難しい場合も率直に説明するか

  • 建築士や消防設備士と連携できるか

  • 開業後の運営義務まで案内するか

を確認することが重要です。

特に注意したいのが、物件を契約してから許可要件を確認するケースです。

旅館業に使用できない物件であることや、高額な追加工事が必要になることが後から判明すると、開業計画そのものを見直さなければならない場合があります。

行政書士しのはら事務所では、東京都を中心に、旅館業許可申請・住宅宿泊事業の届出をサポートしています。

  • 候補物件の事前確認

  • 保健所・消防署・建築担当部署への事前相談

  • 現地調査

  • 申請書・添付図面の作成

  • 近隣住民への周知

  • 旅館業許可申請・民泊届出

  • 現地検査への対応

  • 建築士・消防設備業者との連携

など、物件の状況と運営計画に応じて対応内容をご案内します。

「この物件で旅館業ができるか確認したい」

「旅館業許可と民泊届出のどちらが適しているか相談したい」

「契約前に消防・建築上の問題がないか確認したい」

という方は、物件の契約や工事を進める前にご相談ください。

民泊・旅館業の注意点

この記事を書いた人

篠原 博之

行政書士・AFP
行政書士しのはら事務所 代表

個人税理士事務所・中小企業の総務部長・税理士法人のIT担当の経験を経て独立
バックオフィスのDXに注力している。
登録番号:第24080248号|東京都行政書士会 新宿支部所属

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