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中古車屋開業の落とし穴!古物商許可だけでは違法?「自動車引取業」が必要なケースと登録要件を解説

古物商

公開日:2025/11/29

更新日:2026/2/14

「車が好きだから、個人で中古車販売を始めたい」 「副業として、オークション代行や廃車買取をやってみたい」

中古車ビジネスは比較的参入しやすく、夢のある事業です。しかし、「古物商許可さえ取れば大丈夫」と思い込んでいると、知らず知らずのうちに法律違反(無許可営業)をしてしまう危険性があることをご存じでしょうか?

実は、車の状態や取り扱い方によっては、警察署への「古物商許可」だけでなく、自治体への「自動車引取業」の登録が必要になるケースがあります。

この記事では、中古車開業を目指す方が陥りやすい「法律の落とし穴」と、必要な許可の境界線について、行政書士がわかりやすく解説します。


中古車販売に必要な許可は「古物商許可」だけではない

まず大前提として、ビジネスとして中古車を扱う場合、以下の2つの法律が関わってきます。

  1. 古物営業法(管轄:警察署)

  2. 自動車リサイクル法(管轄:都道府県・保健所設置市)

基本:転売目的で中古車を仕入れるなら「古物商」が必須

これはご存じの方も多いでしょう。 利益を出す目的で、中古車を買い取ったり(仕入れたり)、それを販売したりする場合は、「古物商許可」が必要です。これを持たずに営業すると「3年以下の懲役または100万円以下の罰金」が科される可能性があります。

例外:廃車(使用済自動車)を扱うなら「自動車リサイクル法」の登録が必要

問題はこちらです。あなたが扱う車が、もし「商品」ではなく「廃棄物(ゴミ)」に近いものとみなされる場合、古物商許可だけでは扱えません。 この場合、自動車リサイクル法に基づく「自動車引取業」の登録が必要になります。

ポイント 「まだ乗れる車」= 古物商許可 「もう乗らない車(廃車)」= 自動車引取業登録


境界線はどこ?「自動車引取業」の登録が必要な具体的ケース

「いやいや、自分はゴミを集めるつもりはないよ」と思われるかもしれません。 しかし、中古車ビジネスでは、この「商品」と「廃車」の境界線が非常に曖昧なため、注意が必要です。

オークションで売るための仕入れなら「古物商」のみでOK

以下のようなケースであれば、基本的には「古物商許可」のみで対応可能です。

  • オートオークションから仕入れて、店舗やネットで販売する

  • ユーザーから「乗り換え」のために下取りをする

  • 車検が残っていて、公道を走れる状態で売買する

これらは、車としての価値(商品価値)があるとみなされます。

廃車・スクラップ前提の仕入れなら「引取業」が必須

一方で、以下のようなケースでは「自動車引取業」の登録がないと違法になる可能性が高いです。

  • 「どんな車でも0円以上で買い取ります」と宣伝し、動かない車を集める

  • 事故車や不動車を、解体業者へ引き渡すことを前提に引き取る

  • お客様から「廃車にしてほしい」と依頼されて車を引き取る

たとえ数千円をお客様に支払っていたとしても、「その後の流通先が解体(スクラップ)や破砕」であるなら、それは「使用済自動車」の引き取りにあたります。

この登録をせずに廃車業務を行うと、無許可営業として摘発されるリスクがあります。「知らなかった」では済まされないため、廃車買取も視野に入れている場合は必ずセットで取得しましょう。


さらに踏み込む!「解体業」「フロン類回収業者」が必要な場合

中古車ビジネスを計画している方の中には、「安く仕入れた車を分解して、パーツ(部品)だけヤフオクで売りたい」と考えている方もいるかもしれません。

ここにも大きな落とし穴があります。

自分で部品取り(解体)をするなら、許可が必要

引き取った車からエンジンやドア、バンパーなどを取り外す行為は、法律上「解体業」にあたります。 これを行うには、さらにハードルの高い「解体業許可」が必要です。

「自分の庭でちょっと分解するだけ」であっても、許可なく行えば違法です。 また、エアコンガス(フロン類)が残っている車を扱う場合、「フロン類回収業者」の登録も必要になります。

これらは設備要件(油水分離装置やコンクリート床など)が厳しく、普通の駐車場や空き地で開業するのは非常に困難です。


開業場所(営業所)の注意点:用途地域と保管場所

許可の種類と同じくらい重要なのが、「どこで開業するか」という物件選びです。

中古車販売や自動車引取業を行うには、車を保管するスペース(ヤード)が必要です。しかし、日本の土地には「都市計画法」による用途地域が定められています。

  • 住居専用地域:静かな環境を守るエリア。大きな店舗や作業場は作れないことが多い。

  • 工業地域・準工業地域:工場などが建てられるエリア。自動車関係の許可は取りやすい。

よくあるトラブルが、「場所を借りて契約も済ませた後に、そこでは営業許可が下りない土地だと判明した」というケースです。 特に「自動車引取業」や「解体業」は、近隣住民への配慮や環境保全の観点から、場所の要件が厳しくチェックされます。

物件契約をする前に、必ず「ここでこの商売をしていいか?」を行政や専門家に確認する必要があります。


まとめ:中古車ビジネスの許可申請は複雑。セットでのご依頼が安心です

中古車ビジネスは、「車を右から左へ流すだけ」に見えて、実は複数の法律が絡み合う複雑な業種です。

  • 販売メインなら「古物商許可」

  • 廃車・買取もやるなら「自動車引取業登録」

  • 部品取りもやるなら「解体業許可」+「フロン類回収業登録」

ご自身のビジネスモデルがどこに当てはまるのか、迷われる方も多いはずです。また、これらを警察署と都道府県庁(または保健所)へ別々に申請するのは、膨大な手間と時間がかかります。

行政書士しのはら事務所では、建設業許可などの複雑な許認可で培ったノウハウを活かし、「古物商許可」と「自動車引取業登録」のセット申請や、物件調査からのサポートも承っております。

「自分のやりたいビジネスには、どの許可が必要?」 「この場所で開業しても大丈夫?」

開業準備でつまずく前に、まずは当事務所へお気軽にご相談ください。 面倒な手続きはプロに任せて、お客様は安心して事業のスタートダッシュを切りましょう。

コラムを書いた人

篠原 博之

行政書士・AFP
行政書士しのはら事務所 代表

個人税理士事務所・中小企業の総務部長・税理士法人のIT担当の経験を経て独立
バックオフィスのDXに注力している。
登録番号:第24080248号|東京都行政書士会 新宿支部所属

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