外国人の採用を検討している企業のご担当者様や個人事業主の皆様へ。 令和7年(2025年)の出入国在留管理庁の統計データが発表されました。外国人入国者数や在留外国人数が過去最高を更新する一方で、「不法滞在者ゼロプラン」の推進などにより、不適切な滞在や就労に対する入国管理の厳格化も進んでいます。
本記事では、最新の入管統計データをもとに、外国人を雇用する際に知っておくべき「在留資格の取り消し」や「入管法違反」の実態、そして企業が注意すべきポイントを分かりやすく解説します。
1. 令和7年の最新データ:外国人入国者・在留外国人が過去最高を更新
令和7年の統計によると、外国人入国者数は約4,243万人に達し、初めて4,000万人を突破しました。また、日本に中長期的に滞在して生活する「在留外国人数」も約412万5,000人となり、初めて400万人を超えて過去最高を記録しています。
この数字からも、日本国内で外国人が活躍する場面が急速に増えていることがわかります。特に新規で入国した外国人の在留資格(ビザの種類)を見ると、「短期滞在」に次いで「留学」(約17万6,000人)や「技能実習」(約15万7,000人)が多く、企業にとって外国人材の受け入れはますます身近で重要なものになっています。
2. 企業も要注意!入管法違反と在留資格の取り消し
外国人の受け入れが増加する一方で、ルール違反に対する取り締まりも強化されています。外国人を雇用する企業が特に注意すべきなのが「不法就労」と「在留資格の取り消し」です。
違反の多くは「不法就労」に関連
令和7年に、入管法違反によって退去強制(いわゆる強制送還)などの手続きをとられた外国人は約1万8,000人いますが、そのうちなんと7割以上(約1万3,400人)に「不法就労」の事実が認められています。
これは、働くことが認められていないビザで働いてしまったり、法律で決められた時間を超えて働いてしまったりするケースです。外国人を雇用する企業側も、知らずに不法就労をさせてしまうと「不法就労助長罪」という重い罪に問われる可能性があるため、採用時の在留カードの確認が極めて重要です。
在留資格の取り消しは「技能実習」や「留学」に多い
外国人が日本に滞在するための「在留資格」は、決められた活動を行わなかった場合などに「取り消し」となることがあります。令和7年の在留資格取消件数は1,446件で、前年よりも増加しました。
内訳を見ると、「技能実習」(973件)や「留学」(343件)が大部分を占めています。企業で外国人を採用する際、元留学生や技能実習生を受け入れるケースも多いと思いますが、本人が過去に適切な在留状況であったか、あるいは就かせる業務内容が取得するビザの目的に合っているか、慎重な判断が求められます。
3. 入国審査の厳格化:上陸拒否の実態とは?
外国人が日本に入国しようとしても、空港などの審査で上陸を拒否されてしまうケースがあります。令和7年は8,546人が上陸を拒否されており、前年と比べても増加傾向にあります。
最も多い理由は「入国目的に疑義がある」こと
上陸拒否の理由として圧倒的に多いのが「入国目的に疑義のある事案」で、全体の約85%(7,246件)を占めています。これは、「観光目的と言いながら実際は日本で不法就労をするのではないか」と疑われるケースなどが該当します。
企業が海外から外国人を呼び寄せて雇用する場合、入管へ提出する申請書類に矛盾がないか、入国する目的が明確で正当なものであるかをしっかりと立証しなければ、審査で弾かれてしまうリスクが高まっています。
4. 「不法滞外者ゼロプラン」の影響と今後の動向
現在、国は「国民の安全・安心のための不法滞在者ゼロプラン」という方針を推進しており、不法に日本に滞在している外国人への対策を徹底しています。
その結果、令和8年1月1日時点での不法残留者数は約6万8,000人となり、前年から6,000人以上も減少しました。また、退去を命じられた外国人を母国へ送還する動きも活発になっており、護送官を付けて強制的に送還した件数は過去最高の318人に上っています。
入国管理局の審査や管理体制は、今後さらにスピードアップし、厳しくなっていくことが予想されます。企業としては「なんとなく」の手続きで済ませず、法令を遵守した適切な労務管理とビザの管理が不可欠です。
5. まとめ:外国人の雇用や在留資格の手続きは専門家にご相談を
この記事のポイントをまとめます。
外国人入国者・在留者数は過去最高を記録しており、外国人雇用はさらに増加していく。
入管法違反の大半は「不法就労」であり、企業は採用時の確認に注意が必要。
「技能実習」や「留学」での在留資格取り消しが増加している。
入国目的が疑わしいと上陸を拒否されるため、正確な書類作成と立証が不可欠。
「不法滞在者ゼロプラン」により、入管の審査や取り締まりは年々厳格化している。
外国人の雇用には、日本人を雇用する際にはない「在留資格(ビザ)」の確認や手続きという大きなハードルがあります。「どのビザなら自社の業務を任せられるのか」「手続きをどう進めれば確実に許可が下りるのか」と不安に思われるご担当者様も多いでしょう。
当行政書士事務所では、最新の法律や入管の審査傾向を熟知した専門家として、企業様が安心して外国人材を受け入れられるよう、ビザ申請から採用後の適切な管理までトータルでサポートしております。初めて外国人を雇用される個人事業主様や企業様も、まずはお気軽にご相談ください。