【図解で解説】古物商許可は必要?「古物」の定義と具体的なケース、知らずに違法にならないための基礎知識
古物商許可
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【お詫びと訂正のお知らせ】(令和8年7月29日)
本記事の旧記載において、家電量販店等の小売店から転売目的で直接新品を仕入れるケースと、自己使用又は贈答等の目的で購入された新品未開封品を個人から仕入れるケースを混同し、古物営業法上の取扱いについて誤解を招く表現がございました。
読者の皆様及び本記事を引用・参照された皆様にお詫び申し上げます。
ご指摘を受け、古物営業法第2条及び警察庁の「古物営業法等の解釈運用基準」を再確認し、該当箇所を修正・加筆いたしました。
副業での「せどり」やリサイクルショップの開業、ネットオークションでの取引など、中古品を扱うビジネスに関心が高まっています。
しかし、「中古品を扱うなら許可が必要らしいけど、自分も対象なの?」「新品を仕入れて売るなら大丈夫?」と迷っている方も多いのではないでしょうか。
結論から言うと、ビジネスとして古物を買い取り、販売・交換する場合や、他人から委託を受けて古物を売買する場合には、原則として「古物商許可」が必要です。知らずに無許可で営業すると、重いペナルティが科される可能性もあります。
この記事では、古物商の基本である「古物」の定義、許可が必要な具体的な取引ケース、許可が不要なケースなどを、初心者にも分かりやすく解説します。
1. なぜ許可が必要?古物営業法の目的とペナルティ
まず、なぜ中古品の取引に警察の許可が必要なのでしょうか。
その最大の目的は「盗品の流通防止」と「被害の迅速な回復」にあります。
もし、誰でも自由に中古品を売買できると、泥棒が盗んだ物を簡単に換金できてしまいます。そこで、古物商を許可制にし、取引相手の本人確認義務や取引記録の保存義務を課すことで、盗品の流通を防ぎ、万が一市場に出回った場合も警察が追跡しやすくしているのです。
無許可営業のペナルティは重い
許可が必要にもかかわらず、無許可で古物営業を行った場合、「3年以下の拘禁刑または100万円以下の罰金」という非常に重い罰則が科せられる可能性があります。知らなかったでは済まされませんので、正しい知識が必要です。
内容 | 根拠 |
|---|---|
3年以下の拘禁刑または100万円以下の罰金 | 法第31条第1号 |
情状により、拘禁刑と罰金の併科が可能 | 法第36条 |
罰金以上の刑に処せられた場合、許可の取消し | 法第6条 |
刑の執行終了等の日から5年間、新たな許可を取得できない | 法第4条 |
罰金以上の刑に処せられると許可は取り消され、その後5年間は新たに許可を取得できません(法第6条・第4条)。
2. ここが重要!法律上の「古物」の3つの定義
許可申請が必要かどうかを判断する上で最も重要なのが、法律が定める「古物」の定義です。古物営業法では、以下の3つを「古物」と定義しています。
定義 | 説明 | 具体例 |
① 一度使用された物品 | いわゆる一般的な中古品。 | 使った後のバッグ、着用した古着、走行した中古車など。 |
② 使用されない物品で使用のために取引されたもの | ここが重要です(次項で詳しく解説)。 | 自己使用や贈答などの目的で購入された、新品未開封の家電やタグ付きの未使用の服など。 |
③ これらの物品に幾分の手入れをしたもの | 本来の性質を変えずに修理・清掃したもの。 | 清掃した中古家電、修理した中古自転車など。 |

3. 要注意!「新品未開封」でも古物になるケース
多くの人が誤解しやすいのが、上記定義の②「使用されない物品で使用のために取引されたもの」です。
これは、「たとえ新品未開封であっても、一度でも一般消費者の手に渡ったものは古物とみなす」という意味です。
【ここがポイント!】
メーカーや問屋、正規代理店から直接仕入れた新品 → 「古物」ではありません。(許可不要)
自分で家電量販店等の小売店から直接購入し未開封のまま転売→ 仕入れの時点では「古物」ではないため、古物商許可は不要
ネットオークションやフリマアプリで「新品未使用」として購入したもの → これも「古物」になります。(ビジネスとして転売するには許可が必要)
「新品だから大丈夫」と安易に判断せず、「どこから仕入れたか(誰の手に渡ったか)」が重要になる点を理解しておきましょう。
4. あなたの取扱品目は?古物の13区分
古物商の許可を申請する際は、以下の13の区分から、自分が取り扱う予定の品目を選んで届け出る必要があります。
美術品類(絵画、書画、彫刻など)
衣類(洋服、着物など)
時計・宝飾品類(時計、眼鏡、宝石など)
自動車(タイヤや部品も含む)
自動二輪車及び原動機付自転車(バイク、原付)
自転車類
写真機類(カメラ、レンズ、双眼鏡など)
事務機類(PC、コピー機、レジスターなど)
機械工具類(工作機械、土木機械、家庭用ゲーム機など)
道具類(家具、楽器、CD/DVD、ゲームソフト、おもちゃなど広範囲)
皮革・ゴム製品類(鞄、靴など)
書籍(古本)
金券類(商品券、ビール券など)
※申請時はメインで扱う品目を1つ決め、その他に扱う品目も選択します。
5. 【具体例】古物商許可が必要な取引・不要な取引
では、具体的な取引シーンで見ていきましょう。
古物商許可が「必要」なケース
リサイクルショップ、古本屋、中古車店を経営する。
せどり(転売)目的で、リサイクルショップやフリマアプリから中古品を仕入れて販売する。
ジャンク品のPCを買い取り、修理して販売する。
中古車を買い取り、分解して部品として販売する。
顧客から中古品を買い取り、代わりに新品を値引き販売する(下取り)。
オークションの出品代行を行い、手数料を受け取る。
【重要】営利目的と反復継続性
古物営業に該当するかは、営利目的の有無や取引の反復継続性など、実際の営業形態から客観的に判断されます。取引回数だけで機械的に決まるものではありません。
古物商許可が「不要」なケース
自分が長年使っていた不用品をフリマアプリで売る。(営利目的の仕入れではないため)
メーカーや正規問屋から直接仕入れた「新品」のみを販売する。
せどり目的で、家電量販店などの小売店から直接「新品」を仕入れて販売する。 (小売店から仕入れる時点ではまだ「古物」ではないため。※ただし、各店舗の転売禁止ルール等には注意が必要です)
知人からタダでもらった中古品を販売する。(「買い取り」が発生していないため)
海外に自ら出向いて買い付けた商品を輸入販売する。(日本の古物営業法が適用されないため。ただし、国内の輸入業者から買う場合は許可が必要になることも)
6. 古物営業の3つの種類
古物営業法には3つの営業形態がありますが、これからビジネスを始める方のほとんどは「1号営業」に該当します。
【1号営業】古物商
中古品を売買・交換する、一般的なリサイクルショップやせどり業などがこれにあたります。ほとんどの方はこの許可を申請します。
【2号営業】古物市場主
古物商同士が取引を行う「古物市場(競り場)」を運営する営業です。
【3号営業】古物競りあっせん業
インターネットオークションサイトの運営者など、売買の「場」を提供する営業です。
7. まとめ:迷ったら自己判断せず専門家へ
古物商の許可は、ビジネスとして中古品を扱う上での必須条件です。特に「新品の転売」でも許可が必要になるケースは、多くの人が見落としがちなポイントです。
「これくらいなら大丈夫だろう」という自己判断は危険です。ご自身のビジネスモデルが許可の対象になるか不安な場合は、管轄の警察署の生活安全課や、許認可の専門家である行政書士に相談することをお勧めします。
参考リンク
この記事を書いた人
篠原 博之
行政書士・AFP
行政書士しのはら事務所 代表
個人税理士事務所・中小企業の総務部長・税理士法人のIT担当の経験を経て独立
バックオフィスのDXに注力している。
登録番号:第24080248号|東京都行政書士会 新宿支部所属
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